彼女と彼は同じ存在? ジュンside ページ22
ジュ「え?え!?」
俺は、目の前の光景に驚く他無かった。だって、体が透明な少年が有田を抱きしめている。しかも、有田はこの少年の存在を知っていたのだ。
というよりは、二人の世界が出来てしまっていて俺の存在が邪魔になっているんじゃないかと思っている。
すると、『ローラン』と呼ばれた少年は抱きしめていた有田を優しく離し、俺の方を向いた。髪型と性別だけ違うけれど:::顔は良く似ている。
有田に:::。
ロ『君が、桜田ジュン君だね?初めまして』
ジュ「え、何で俺の名前を知ってるんだ?」
ロ『うん、知ってる。小さい頃に会った事があるからね』
小さい頃?俺は小さい頃の思い出を辿ってみるが、ローランのような少年とは出会った事はない。
いや、俺がそう思っているだけで会った事があるのか?
真剣な顔をして悩んでいる俺に、ローランは小さく笑う。いや、真剣に悩んでいるんだけど:::すると、ローランが自分の胸に手を当てて言った。
ロ『すまない、説明が不足していたようだね。僕:::ではなく、蒼にだね』
貴「:::」
ジュ「:::ん、ん?ちょっと待てよ?」
確かに、有田のような少女と会った事がある事は確かに記憶の片隅にある。けれど、今の言葉を聞いて不自然に思った事がある。
蒼にだね:::という事は、ローランもその場にいたという事だ。
貴「ねえ、ローラン」
ロ『ん?どうしたんだい?蒼』
すると、抱きしめられていた後だまっていた有田がローランの名前を呼んだ。その目には、真剣な眼差し。
有田は留めていた息を一気に吐くように言葉を放った。
貴「もしかしてローラン:::私の前世なの?」
ロ『:::』
ジュ「前世って、この世に生まれる前って事か?」
そう言った俺に、有田は真剣な顔のまま頷いた。そんな事はありえない。ありえるはずがない。
そんな考えも有田の言葉によって打ち消された。
貴「同じ色のオッドアイ、あの夢の中に出て来た少年の名前:::私には偶然という言葉では片づけられない程の偶然が重なりあってる」
ロ『:::』
貴「そして、桜田君を知っていた事:::私も桜田君のような男の子と遊んだような記憶がある。けれどローランみたいな男の子はいなかった。つまり、
ローランは私と同じ人物だって事だよ」
普通では信じられない言葉を放つ有田に、俺はほとんど信じるしか他無かった。
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RIN - 蒼星石って女の子ですよね?あれ? (2017年12月10日 20時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです!keitoさんナイスです!蒼星石私も大好きです! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました!続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝビシィ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:keito | 作成日時:2015年7月6日 17時