真紅の目覚め ページ20
ジュ「行くぞ」
貴「うん:::」
私が頷くと、桜田君は真紅の鞄を開けた。私と翠星石は息を呑んで見守る。そして鞄の中から現れたのは『赤い光』だった。
いわゆる、人口精霊。翠星石曰く、ローゼンメイデン達のサポーター役らしい。
その赤い光は鞄を飛び出して、上へと上がりそして桜田君へと近寄る。桜田君の顔を一周すると、今度は私に近寄った。
貴「:::?」
私の顔の前に浮かび続ける赤い光に、首を傾げると淡く光った。そしてお辞儀をするように一旦下へと下がる。
何故お辞儀をしたのだと思ったかは知らないが、自分も同じようにお辞儀をした。
ジュ「何で頭を下げたんだ?」
貴「いや、何となく:::挨拶してもらったような気がしたから」
ジュ「:::ふ〜ん」
それ以上桜田君は言う事はなく、赤い光の行動を見守る。すると、赤い光は桜田君の背中へと移動した。
ジュ「背中?」
貴「背中:::あ、真紅の背中にある穴の事じゃない?」
私がそう言うと、翠星石が頷いて見せた。そして、赤い光の通りに桜田君が真紅の体を反転させて横向きにさせる。
赤い光はその穴の中へと入って行く。すると、真紅の体が赤く光った。体が浮かび上がり体は仰向けに。
そして、穴の中から一つの黒い羽根が地面へゆっくりと落ちて行った。
私は黒い羽根を拾い上げて手に取る。これは:::、
貴「水銀燈の:::羽根?」
私が羽根を見つめていると、真紅の体は桜田君の所へと降ろしていく。そして桜田君の懐へと収められた。
桜田君が何回か、真紅の名前を呼ぶ。すると、
貴「あ:::起きた」
小さな瞳をゆっくりと開けた真紅。桜田君が心配そうに名前を呼んだ。良かったと安堵したのも束の間、桜田君の頬に真紅の平手が飛んだ。
ジュ「あ:::」
貴「まさかの平手打ち!?」
真「まったく、起こすのが遅すぎるわ。本当に使えない家来ね。少し考えれば分かる事でしょ?」
真紅:::容赦ないね。
ジュ「こ、この:::人がどれだけ心配して「してたの?」し、してない」
真「その割には、目が赤いようだけど:::ジュン君?」
ジュ「え?」
真「ま、一応礼だけは言っておくわ。ありがとう:::ジュン」
そんな二人の様子を見て、何だかとても安心した。私も翠星石の様子を見れたし、良かった:::良かった。
貴「フフッ:::」
私は黒い羽根を握りしめたまま:::二人の様子をただ見つめていた。
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RIN - 蒼星石って女の子ですよね?あれ? (2017年12月10日 20時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです!keitoさんナイスです!蒼星石私も大好きです! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました!続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝビシィ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:keito | 作成日時:2015年7月6日 17時