プッチンプリンが6つ ページ8
何故こうなった。
目の前で繰り広げることに空いた口が塞がらない。
体育館に日々にわたるボールの跳ね返る音。
腕がもげそう。
｢あ、えっと木村さんだよね｣
と、口元のホクロがセクシーで
メガネの似合う、女性。
菅原のタイプ。
美人の人。
｢え、あ、はい｣
私のクラスまで聞いたことがある、
マドンナ的存在の人。
バレー部マネージャー清水潔子さん。
｢同い年だし、タメ口で｣
なんて、にこやかに笑う彼女は
本当に美人で
｢うん｣
嫉妬してしまうほどだ。
｢ごめんね、菅原から話は聞いたと思うんだけど、今日からよろしく｣
なんて、彼女の口から出る言葉に
ムスッとしてしまう私。
事の発端は、1時間前のこと。
｢木村｣
帰り支度をしてる最中のこと。
菅原に呼び止められる。
｢なにー？｣
｢お前帰宅部だよな！頼みがある｣
と、両手を合わせ
申し訳なさそうな顔をする菅原に
もしかしてと、眉毛が上がる。
｢マネージャーとして、バレー部に入ってくれない？｣
｢え、むり。｣
｢そこをなんとか｣
と、逃がさないように私の肩を掴む。
｢え、まって、なんで、え｣
｢帰宅部のお前にしか頼めないんだ｣
なんとまぁ強引な。
そして顔が近いです。菅原くん。
｢な？頼む。清水1人じゃ大変で｣
なんて。
よく聞く苗字に、ぴくりと反応する。
｢やだ。｣
｢.......だよな。｣
なんて、悲しそうな表情を見せる菅原に
ズキっと痛む胸。
ほんと、惚れた自分が悪い。
分かってる。
｢.......プリン、、もしくはプッチンプリン.......1週間分。｣
｢！！それって｣
なんて、いきなり抱きついてする菅原。
｢ありがとう、ほんとに｣
｢わ、わ、わかったから、離れて！！｣
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作者名：初春 | 作成日時：2019年8月18日 15時
