6話 ページ6
突然投げかけられた言葉に固まる。
心の中で少し恐れていたことが現実になった。
『何言ってんの!』
あたしは笑ってごまかそうとした。
慧も笑ってくれた。
けど、
その笑みはどこか冷たくて。
「誤魔化さないでよ」
慧の目はじっとあたしを見つめている。
まさか、あんな短時間でバレるなんて思わなかった。
『だから、違うって』
そう言うと、慧は納得していないようで、ぷくうと顔を膨らませた。
「好きなら好きでいいのに」
たしかに、
あたしなんで慧に隠してるんだろう。
言ってしまってもいいじゃない。
でも、なんでだろう。
言えないんだ。
『だーかーら、違うんだって』
「…まあ、いいけど」
すると慧が意地悪く笑った。
「まぁ、Aは2次元にしか興味なかったもんな」
そうそう、とドヤ顔をすると、慧もクシャッとした笑顔になった。
いつも通りの、帰り道だ。
その後あたしは漫画を返して、慧は家に帰っていった。
「山田君のこと、好きでしょ」
この言葉がまだ心に残っている。
なんでわかったんだろう。
なんであんなに鋭い目つきだったんだろう。
さっきの慧は、いつものふわふわした慧じゃなかった。
山田君のこと、嫌いなのかな…
もしそうだったら、あたしが山田君のいい所を話して…
って!ダメだ!
これこそ絶対好きだってバレる!
複雑な気持ちだ。
ピコン
メールだ。
『慧…?』
メールにはこう書かれていた。
「明日、進撃の小人の最終回だから撮るの忘れないでよ(笑)」
なんだ、そんなことか。
変にドキドキするじゃんか。
さっきの続き言われるのかと思ったよ。
しかし、
メールには続きがあった。
「A、正直すぎ」
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作者名:白米(はくべい) x他1人 | 作成日時:2017年4月19日 18時