5話 ページ5
「ほんと、ドジだよねーAは」
あたしの背後にいたのは山田君ではなく
『慧…』
って!!いつの間に?!
なんだか男らしい…
なんだか熱くなってきた。
すると慧はゆっくりと山田君の方を向いた。
「えーっと、名前なんだっけ」
おい!!こんな美少年の名前忘れるやつがいるかよ!!
「…山田涼介です」
「あ、そうそう山田君!」
そして、山田君の方へ一歩踏み出す。
「君、きれいな顔なのに、背がちっちゃいんだね」
こ、こいつなんて失礼な…!!
『ちょっと慧…』
「かわいいね。でもやっぱ…」
その続きはあたしには聞こえなかった。
やっぱ背が大きい方がかっこいいよね、とか言ってたら殴っとこう。
急にぐいっと腕を引っ張られる。
「行くよ、早く帰って寝たい」
『え、待って待って』
あたし、このまま帰れないって…
山田君になんか言わなきゃ…
でもぐいぐいと引っ張られる。
あたしはちゃんと山田君に届くように言った。
『あの!本当にすみません!!そのっ、あのっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
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『ねぇ、さっきなんて言ったの!てか、しつれいだよ!』
山田君に申し訳ない。
山田君!気が済むまでこいつのこと殴っていいからね!
しかし、慧は表情を変えない。こっちも見てくれない。
『ねぇ聞いてる?』
すると、とぼけた顔でこっちを向いた。
「ん?あ、ごめん、ぼーっとしてた」
はぁ!?といいたいところだが、
あたしだってそういうことはしょっちゅうだったから、何も言えなかった。
すると、慧がゆっくりこちらを向いた。
「あのさ、
A、山田君のこと好きでしょ」
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作者名:白米(はくべい) x他1人 | 作成日時:2017年4月19日 18時