やまいの短編集 (ページ10)

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幼馴染み×かるた 1 ページ10

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パンッ

昔。小さい頃に。

競技かるたを見た。

とても速い速さでかるたを取っている姿。

圧倒された。

あれから数十年。

私は、友達がいっぱい増えて、毎日を楽しく送っている。

　『瀬をはやみ＿＿＿＿＿＿』

小6からやっている競技かるた。

山「お前って本当にかるた。好きだよな。」

幼馴染みの涼介に、いっつも言われる。

伊「だって。好きだもん。好きなのやった方が良いでしょ？」

山「飽きないの？」
伊「飽きないよ」

山「嫌にならないの？」
伊「いや？全然。」

いっつも話すこの内容。

この話の方が飽きたよ。

伊「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の割れても末にあわむとぞ思ふ」

この歌は、

川瀬の急流が岩に塞き止められても、

また下竜で合わさるように、

今、二人が別れても将来再び逢おう

と言う意味が込められた歌。

山「もしもさ。俺らが、もう会えないっ！ってなったらどうする？」

伊「え？」

山「俺だったら、もう一度会いたいかな？違反してでも。」

あらざらむこの世の他の思ひ出に今ひとたびのあふこともがな＿＿＿。

もしも今。涼介が死んだら。

涼介を。胸に抱きたい。

伊「死なないで。」

山「え？」

伊「ごめん。忘れて。今の。」

何考えてんだろ。…私

今日…変…

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