可愛いヌナは俺のペン - EH ページ3
ツアーがひと段落して、あとはアンコンを残すのみ。
仕事はまた少しずつ次の局面に入り始めた。
ありがたくもいろんな番組に呼んでもらったりして何かと忙しく、他のメンバーとは顔を合わせる機会が減っていた。
今日はドンヘとのユニットの次に向けて、打ち合わせに事務所に顔を出す。
打ち合わせって言っても、あいつの頭の中にはもうしっかり次のコンセプトがあるんだろうから、俺はそれを聞いて意見を言うだけ。
まぁ、言ったところで多分、結局はあいつの好きなようになるのかもだけど。
……今度は髪…どんなのにさせられるんだろ……
なんて考えてぼーっと練習室前の廊下を歩いてた。
「ヒョク?」
その時、後ろから久しぶりの声が聞こえた。
EH「ヌナ? 久しぶりだね」
「うん。練習?」
EH「ドンヘとかと打ち合わせ。ヌナは?」
「わたしも。ジョンウンのソロの」
EH「作るの?」
「うん。声かけてもらってね」
EH「へぇ……」
ジョンウン……なんて呼んでるんだ。
なんか、意外だなと思った。
別にヒョンよりもAヌナの方が年上なんだしどんな呼び方したっていいはずなのに……なんとなく引っかかる。
「アンコン、もうすぐだね。楽しみにしてる」
EH「お、来れるの?」
「うん。チケット頂いちゃった。ELFなのにいいのかな、って思ったけど、間違いなく関係者でしょう?って言われて」
EH「……誰に?」
「マネージャーさん」
EH「あぁ……」
なんだ……だよな。
ヌナの書いてくれた曲だって歌うんだし。
そりゃちゃんと渡すよな。
なんか、話の流れのせいなのか、もしかしてイェソンヒョン?……とか思っちゃった。
「でも緊張する。関係者席なんて」
EH「そう?」
「うん……つい普通にはしゃいじゃいそう」
そう言って照れくさそうに笑ったAヌナ。
キラキラした目をして……本当にELFなんだね。
EH「いいんじゃない? 俺のうちわ、ちゃんと持ってきてね?」
「えっ!? それはさすがに……ペンラだけにしとくよ」
おぉ!
あるんだ! うちわ!
EH「ダメ。ヌナは誰のペンなのか、メンバー達にわからせないと」
「えぇ……?」
焦って小さく首を横に振るヌナ。
ヌナなのに、なんか可愛い……と思った。
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作者名:ケイ | 作成日時:2022年2月18日 22時