だって、わたしがいる【銀魂】4

言葉を紡ぐ : 銀時 ページ26

銀「………」


「………」


銀「………A、」


「な、何、、？」


銀「これじゃ、俺たち
土方くんのストーカーじゃね？」



俺の袖を握り締めながら、
土方くんのだいぶ後ろを隠れながら歩くA。
声を掛けようにも俺の後ろに隠れてちゃ
きっと、土方くんの逆鱗に触れるだけだろうし。



「す！！！ストーカーじゃないよ！
ゴリラと一緒にしないで！！！！」


銀「ゴリラって呼んじゃったな、おい。
………あ、」


「へ？………あ、」



ストーカーか、
もしくは、ゴリラに反応したのか
土方くんがこちらを振り返って
その眼を丸くしていた。



「………ひ、土方さ、」


土「……」



足を引きずりながらも
観念して、前に進むA。
俺もひょこひょことついて行く。



「あ、あのっ、ささ昨夜は勝手なことをし、」


土「もう大丈夫なのか？」


「っへ！？？」


銀「……」



土方くんはAの震える声を遮り、
いつもより、温度のある声を落とす。
俯いていたAは咄嗟に顔を上げる。



土「二日酔いにはなってねぇのか？」


「あっ、え、はいっ！それは、
大丈夫そう…です」


土「そうか。…あの女に頼まれたんだろ。
今度からは一言言ってから行け」


「、、はい…すみませんでした」



土方くんとAは眼を見合いながら
距離感を確かめているかのように、
お互い、言葉を紡ぐ。


三白眼がゆっくりと俺に焦点を合わせる。



土「…………万事屋」


銀「…あ？」


土「………Aが、世話んなった」



その黒い眼は、俺を解放すると
くるりとまた背中を向ける。



土「A、お前は今日、非番だろ。
明日に響かねぇようにしろよ」



とだけ、Aに言い残し
煙草を吹かしながらまた歩み始めた。



「…っはい！ありがとうございます！」


銀「………、」








「…怒ら、れなかった、ね」


銀「…だな」


「相当、疲れてたのかな…？」


銀「さぁな…。
ああ言ってたんだ。
昼飯だけ、付き合えよ」


「…うん、そうだね。行こ」






何食べようか、と歩み始めるAの後ろで
土方くんの背中を振り返る。









大切に想ってやがる。









Aのことも。




Aの想いも。

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