だって、わたしがいる【銀魂】4

後者 : 土方 ページ17

土「っああぁぁ！！？どういうことだっ！？」


妙「だから、今言った通りです。
Aさんは銀さんが連れて帰りました」


土「それが意味わからねぇって言ってんだ！
てめぇ、あんなどピンクのクソ野郎に
意識ねぇAを黙って渡したのか！？？」


妙「大丈夫ですよ。
わたしがおかしな真似したら
捥ぎ取ると伝えましたから」


土「…何を？」


妙「ナニを」




いつも通りの笑顔のまま、
指をピキピキっ、言わせながら
捥ぎ取る仕草をする女。
冷汗を掻きながら、
ほんとにこいつは女なのか、と
疑問に思うことが多々ある。
伸びたままの近藤さんにとりあえず、服を着させ
引き摺りながら、頭を抱える。




妙「……土方さん」


土「あ？」


妙「Aさんのこと心配ですか？」


土「…ああ、、潰れてたからな」


妙「…それは部下の心配ですか？
それとも、大事にしてる女の心配ですか？」


土「…っ！！！？」




顔がカッと熱くなるのを感じる。
にこにこしながら、俺の返事を待ってる。
いや、俺が言葉にするのを
こいつは待ってやがる。




土「…………ああ。後者だな」


妙「ふふふ。そうですか。
でもAさんの様子じゃ、
土方さんみたいに遠回しな人は
通用しなそうですね」


土「…けっ、だろうな」


妙「きちんと送らせるように
わたしから新ちゃんに伝えさせます。
土方さんはとりあえず、
その破廉恥ゴリラの処刑お願いしますね」


土「…あ、ああ。え、処刑…？」


妙「土方さん」


土「！…あ？」


妙「お似合いだと、わたしは思いますよ。
Aさんと土方さん。
Aさんなら…、土方さんのこと
今までのことも全て、受け止めてくれそうだもの」


土「………」






俺は、一言礼だけ言い
近藤さんを引き摺りながら。すまいるを出る。
夜は随分と更けたが、
歌舞伎町にいるとそれがまったく分からねぇ。
ゆらゆら揺れるネオンに
目を細めながら、紫煙を薫せる。






誰かに俺の重荷を背負わせるつもりはねぇ。
そもそも、これを重荷とは呼びたくねぇ。


だが、








あいつにゃぁ、


Aには、







どうしてだろうか。





触れて欲しい、と思うのは。








俺の抱えるもん全てに









触れて欲しい。









粋がって踏ん張って、
誰にも見せることさえしなかった
俺の奥底の粘膜のような
柔い部分。





Aには、




知って欲しい。

コントロール : 銀時→←破廉恥ゴリラ : 銀時

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す