vous chéri(×in)

Sweetly(JUMP×in→ybin) ページ8

(in side)
いつもは甘えない俺だけど、今日はなんとなく甘えたい気分。

本当にたまにくる甘えた期。

ぎゅってして、ほしい…みたいな。

甘えたい、甘えたい……でもぉ…。

うじうじ、もんもんと考えていると、後ろからあたたかい温もり。

｢いのちゃん、今日は甘えたい感じ？｣
｢ふぇ…うぅ……ひかぁ｣

耳元で聞こえる優しい光の声。

俺のこと、なんでも分かってくれる。

たまらなくなって、光に抱き着くと、優しくぎゅって抱き締めてくれた。

｢やっぱり、甘えた期来ちゃったんだね｣
｢…いや？｣
｢嫌じゃないよ？ 可愛いなぁって。よしよし｣

ほぁ……ぬくぬく…。

細いのに、筋肉が程よく付いてて、凄い落ち着く。

｢ありゃ？ ちゃん、甘えた期？｣
｢そうそう、甘えた期来ちゃったんだもんね？｣

大ちゃんが戻って来て、俺達の脇に立って聞いてくる。

ちょっと意地悪な感じで光が言うから、フイッて顔をそらすと、ありゃま、と二人して変な声を出してる。

｢ねぇ、俺の携帯どこに置いてあるか知らな──あれ？ 伊野尾ちゃん？｣
｢……山ちゃ…？｣
｢光くん、代わって！ 俺がぎゅってしてあげるから！｣
｢あー、はいはい｣

呆れながら光が離れていく。

ちょっと名残惜しいけど、すぐ山田が抱きしめてくれる。

｢伊野尾ちゃん｣
｢…ん？｣
｢っ、あ〜……かわいい…｣

名前を呼ばれたから、なに？って意味で首を傾げたら、ぎゅうって抱き締めてくる山田。

ちょっと苦しいけど、ぬくぬく…。

肩に頭を預けると、ほぁぁ〜って変な声出してる。

｢あれ、伊野尾くん？｣
｢今日は誰に抱き締めてもらってるの？｣

頭の上から声が聞こえてきて、顔を上げると、たかぎと裕翔が並んで立っていた。

二人共デカくて、見上げるのに首痛い…。

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