vous chéri(×in)

Crazy love(ntr･sm×eiji) ページ6

名取先生と蝉、日下瑛治が同軸に存在します。


(ntr side)

｢あ、颯馬くん、お帰りなさい｣
｢…うん｣

前までは無かった、お帰りなさい。

特徴的なふわふわとした高めの声を聞いて安心するなんて、慣れとは怖いものだ。

｢こら、うんじゃなくて、ただいま、でしょう？｣
｢…ただいま｣
｢ふふっ、お帰りなさい｣

ふんわりとした笑顔がこの人お得意の表情。
それでもこの容姿なら、誰でも騙されるし、安心するだろう。

日下瑛治。

兄への復讐のために、母親まで殺した男。

でも俺は、この人が好きだったりする。

絶対に言わないけど。

リビングに向かうと、漂ういい匂い。

｢あ、颯馬、お帰り｣
｢あぁ、うん｣

キッチンで料理をしていたのは、蝉。

蝉って、虫の蝉じゃないからね？
こいつの名前。

こいつも、人殺しっていうか、殺し屋。

なんで医者の俺が、こんな人を殺した2人と住んでるのか…。

俺にもよく分からないけど、窮屈な暮らしだったのが、少しは楽しく思えてるから良いかなって。

｢瑛治、カクテル作って｣
｢いいですよ？ 蝉くんはどんなのがいい？｣
｢ん〜……ちょっと甘いのがいい｣
｢分かりました｣

ソファに座ってた日下さんの元に近付いて、頬にひとつ口付けを落として、カクテルを作ってと頼んでいる蝉。

日下さんも蝉の頬に軽く口付けをして、キッチンに入って行く。

｢颯馬くんは〜？ どんなのがいい？｣
｢あー……｣

キッチンにたつ日下さんに近付いて、腰に手を回して耳元に唇を寄せる。

｢あんた…って言いたいところだけど、蝉がうるさくなりそうだから……なんでもいいよ。俺のイメージのもの作って｣
｢っ…分かった｣

ソファに戻る時に横目で見ただけだけど、それだけでも分かる、期待した目。

今日は蝉もいるって言うのに、我慢出来そうにないじゃん。

｢今日はお前と瑛治でお楽しみか？｣
｢別に｣
｢いいぜ。今日は夜中に仕事あるからな｣
｢あっそ｣
｢明日は俺が瑛治を好きにするし｣
｢どうぞ。明日は俺、当直でいないし｣

あんたが誰に抱かれようと、ここにいる限り、俺と蝉にしか抱かれないんだから別にいい。

もし、俺ら2人以外に体を許したなら、その時は俺が日下さんを殺す…。

そのくらい愛してる──






Crazy love. fin.

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