vous chéri(×in)

Usual happiness(ymin) ページ4

同棲


(ym side)

やっと仕事が終わったのは午後11時。
そこから急いであの人が待つ家へと帰る。

｢ただいま〜…｣

家の中に入り、静かにリビングのドアを開けて中を覗いて見るけど、真っ暗で誰もいない。

仕事終わってないのかな…いや、今日は午後からオフだって言ってたし…。

荷物を置きに寝室に入ると、ベッドの上で寝ている愛しい人。
なんだ、寝てたのか。

軽く着替えてベッドサイドに腰掛け、寝顔を覗き見る。

普段よりも幼いあどけなさが残る寝顔で、とても可愛らしい。

ジッと見詰めていると、寝返りを打って、薄らと目を開けた。

｢…ん〜？……やまらぁ…？｣
｢山田だよ？ ただいま｣
｢んふふ…おかえりぃ｣

まだ完全に目が覚めてないのか、ふにゃふにゃとした笑顔を向けてくれる。

ちゅっと唇に口付けしてやると、もっととせがむように俺の首に腕を回してきたから、要望通り再び口付けをする。

｢んっ…ｯ……んぅ｣
｢っ……はぁ…伊野尾ちゃん可愛い｣
｢知ってるもん｣

あらあら、知ってるもん、だって。
本当に年上かってくらい可愛い。

ん〜、ん〜！ 、と声を出して首に回している腕を引っ張るもんだから、体勢が少しキツいけど、恐らく甘えてんだろうな。

起き上がらせて、膝の上に座らせると、満足気に、むふふと笑みを零してる。

ここ最近、仕事が詰まっていて一緒にいる時間が少なくなってきてるから、寂しい思いさせてないかな…。

明日は珍しくオフが重なったし、うんと甘やかしてやろう。

｢やまだ…やまだも一緒に、寝るの｣
｢一緒に？｣
｢ん。はやく…｣

俺の膝に乗ったまま、とろんとした表情。
本当に眠そう。

お風呂は仕方ないから明日朝一で入らないとな。

ベッドに横にさせて、隣に潜り込むと、腰に回ってくる腕。

｢ふぁ……やまら…おやすみ｣
｢うん、おやすみ。明日は伊野尾ちゃんの好きなところ行こうね｣
｢んぅ…いく…｣
｢ふふっ｣

すぐ聞こえてくる寝息。

口、ちょっと開いてるし。

頬に軽く口付けをして、俺も眠りについた。




Usual happiness. fin.

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