vous chéri(×in)

can not go back anymore(ymin) ページ26

近親 相 姦
山田くん(弟)×伊野尾くん(兄)


(ym side)
｢涼介、これ、お願いね？｣
｢ああ、うん、分かった。そこ置いといて｣
｢はーい｣

間延びした返事をする兄が脱衣所から出て行く背中をジッと見つめる。

薄い肩、細い腰、その華奢な体を抱き締めたくなる衝動をグッと抑え込む。

実の兄に、なんてこと思ってんだよ…。

渡された衣服を見つめ、ほんのりと香ってくるあの人の匂いに、無意識に鼻を押し付ける。

同じ家にいるのに、なんであんなにも甘い匂いがするのか。

香水とは違う、優しい、甘い匂い。

顔を離し、虚しい気持ちになりながら、乱暴に洗濯機の中に投げ込む。

洗剤を入れて、スイッチを押し、この後のことを暫く考える。

…誰かと遊ぶとかそんな用事、何も無いし、なにか買うものもない。

そうなると、ずっとあの人と同じ建物の中にいることになるのか。

リビングに入るとソファの上でだらしなく寝ている───慧。

パーカーがめくれて、腹が丸見えだ。

いつも腹壊すんだから、中になにか着ろよな…。

直そうとした時、白い肌が目に入って、慌てて目を背けるけど、多分顔真っ赤。

普通の兄弟なら、こんな、兄の腹なんて見て、欲 情なんてしない。

でも俺は、してしまう。

この人に、どうしても触れたくなってしまう。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す