vous chéri(×in)

It's bad to be too cute(aiin) ページ22

(ai side)
｢相葉くーん！｣

手をブンブンと大きく振って俺の方にやってくる伊野尾。

とてとて、なんて可愛らしい音が聞こえてきそうな歩き方で、思わず頬が緩む。

｢へへっ、よろしくお願いします｣

首をこてんと傾けてえへへと笑う姿は、可愛いの一言に限る。

今日は俺らが一緒に共演している某動物番組のコーナーで使われている曲のPV撮影。

体育の日を因んでいるのか、二人して体操着を着せられている。

大人になっても体操着か、とちょっとゲンナリしてるけど、伊野尾はどうだ。

本当に27歳かよって位似合ってる。

少し暗めの髪色だからだろうか、まだ高校生って言われてもおかしくないくらいだ。

内容をスタッフから聞いて、まだ準備が整っていないから待っててくれと言われ、二人並んで椅子に座っているんだけど。

俺のちょっと前の位置に置かれた椅子に座る伊野尾は、女の子のような座り方。

体を少し前のめりにして、両足の間に手を入れてスタッフの動きを見ている。

腰に巻かれた長袖の体操着が、元々細い伊野尾の腰を目立たせていて、前のめりになっているから胸が突き出ているような体勢で、目のやり場に困る。

触りたい衝動に駆られながらも耐え、スタッフの呼び声に椅子から腰を上げた。


──────


撮影も終わり、楽屋に向かう廊下を歩いているんだけど、前を歩く伊野尾は何故かルンルン。

多分、撮影で使った焼き魚を食べられたからだと思うけど。

食べてる姿っていったらもう、本当の猫みたいで。

こっそりカメラに収めたのは内緒だ。

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