vous chéri(×in)

Always together(hkin) ページ18

双子

(hk side)
｢ひか！｣
｢ぁ、慧ちゃん、どうしたの？｣

今日は休日で、明日から学校。

そろそろ寝ようかなって思って、ベッドに潜ろうとしたら部屋のドアが開いて、双子の兄、慧ちゃんが入ってきた。

｢これ、母さんが買ってきたって言って渡してきた｣
｢…パーカー？｣
｢学校にも着ていけるでしょってさ。どっちの色がいい？｣

俺の目の前に、黒と濃いめのグレーの色違いのパーカーを差し出して、首を傾げている。

本当、母さんは俺達にお揃いの服着させるの好きだよな。

もう俺達、高校生だってのに。

｢ねぇ聞いてる？ どっち？｣
｢そうだな…慧ちゃんは？ どっちがいい？｣
｢俺？ 俺は……黒かなぁ｣
｢そ？ じゃあ俺はグレーの方ね｣

受け取り広げて見ると、フード付きのパーカーで、胸元に小さくクマのマークがついていた。

慧ちゃんの方は、白猫のマーク。

よかった、グレーの方で。

｢これ可愛い〜！ 見てみて！ ねこちゃん！｣
｢知ってる。俺はクマだよ｣
｢クマも可愛い〜｣

可愛い可愛いと、ぴょんぴょん俺の部屋の中を飛び回っている慧ちゃん。

慧ちゃんの方がよっぽど可愛いんだけど。

｢これ明日着ていこ。ひかも着ていくでしょ？｣
｢もちろん。慧ちゃんとお揃いだからね、着ていくよ｣

慧ちゃんはやたら俺とお揃いにしたがる。

俺が新しい物を買えば、自分もそれが欲しいと言って、次の日には色違いのものを身に付けていたりする。

嫌だとか、鬱陶しいなんて思ったことない。

むしろ嬉しいんだ。

慧ちゃんが、俺と同じものを身に着けてるだけで、それだけで俺は安心する。

近くに、側に、隣にいる気がするから。

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