vous chéri(×in)

sweetness(ybin) ページ14

(yb side)
｢伊野尾〜、起きろ〜｣

めざましが終わって、一番乗りで楽屋に来た伊野尾は、着くなりすぐ寝てしまったらしく、メンバーが次々と集まってきているのに一向に起きる気配が無かった。

疲れてるもんな、と思いメンバーも起こさなかったが、流石に起こさないといけない。

今日は雑誌の撮影。

ピン撮りだけど、衣装にも着替えてなければ、メイクもしていない。

メンバーのほとんどは終わらせてるから、いまだに起きる気配のない伊野尾を起こそうと声をかけた。

が、起きない。

いつもならすぐ起きるんだけどな…。

｢伊野尾。おい、伊野尾ー、起きろー｣

体を揺すると、ん〜、なんて声が聞こえてきて、いやいやと頭を振ってる。

｢いやいやじゃないだろ？ ほら起きろ。メイクとかしなきゃいけないんだから｣
｢ん〜……｣

ご機嫌斜めか…？

何度か声をかけ続けてよくやく目を開けてくれた。

でもはやり眠いのか、ぼーっとしている。

無理やり着替えさせるか、と思い、伊野尾の体を起こさせようとした時、不意に手を掴まれる。

｢やぁ、ぶ…｣
｢ん？ ほら、起きなきゃ…｣
｢ちゅうは…？｣

……ん？

ちゅうはって…なんだいきなり。

｢やぶ…おはようの、ちゅう…｣

…こいつ、まだ寝ぼけてるな…。

もしかしたらまだ家のベッドだと思ってるのだろうか…。

してくれないの？ 、とでも言いたそうな表情。

そんな顔するな…本当にしたくなるから。

確かに毎朝してるけど、今日はめざましで早かったから出来なかったんだよな。

周りを見れば、ニヤニヤとしながら楽屋を出ていくメンバー達。

気を使ってくれたんだろうけど、ニヤニヤしてんな…特に�睫據⇒�岡。

｢やぁぶ、まだぁ…？ ……ちゅう…｣
｢はぁ……分かったよ、おはようのちゅうな…｣
｢っん……ふふっ｣

本当に軽く口付けをしてやると、嬉しそうに笑う伊野尾。

嗚呼、可愛すぎなんだよな…。

体を起こしてやり、膝に向かい合うように座らせ、ボサボサになった髪を整えてやる。

｢んー…ちゅぅっ…｣
｢んっ……こら、伊野尾｣
｢えへへっ｣

はぁぁ…。

可愛すぎて強く怒れない…。

多分、しっかりと眠気から覚醒した伊野尾に後で怒られんだろうな。

いくらメンバーに公認されてるとはいえ、イチャついてるところを見られたくないと思ってるみたいだから。

なんで、ちゃんと起こしてくれなかったんだよ！ って言われんだろうなと思いながら、まだ眠そうな伊野尾に口付けした。




sweetness. fin.

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