伊野ちゃん、ママなります。13

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二宮side4


車を降りてすぐ、横断歩道を渡ろうとすると、人々の悲鳴と車の大きな音が聞こえてきて、青信号で進み始めた人々に向かって来ているのが、早いうちに気がつくことが出来た。

周りの人々も早く気がついたみたいで、身を守るために一斉に散らばる。

だけど5mほど前にいる人は、硬直しちゃってるみたいで、このままでは絶対ぶつかってしまう位置にいた。

でも、その横顔は知っている顔で、可愛い後輩の伊野尾だった。


俺は瞬時に手を引っ張らなきゃと思い、とりあえず思いっきり引っ張った。


だが少し間に合わず、タイヤに巻き込まれることがなかったが、片足がぶつかった音と、荷物が引かれる音がした。
しかも、引っ張ってバランスを崩しながら尻餅を打ってしまったため、少しケガもさせてしまったみたい。

慧)ぇ、にのみやくん、


少し会話をしたあと、回りの騒ぎが気になったのか、回りをキョロキョロ見た伊野尾。
だが、みるみるうちに顔色がおかしくなって怯え始めた。

確かに周りは地獄絵図。
ぶつかってきた車は、最後にお店に突っ込んたみたいだし、渡りには倒れた人が溢れている。
気分が悪くなるのも分からなくない。


きっと、早く場所を変えた方がいいだろう。



すると急に、ある物に手を伸ばした伊野尾。

二宮)ん？これ伊野尾のか？

慧)はい。グチャグチャになっちゃった...･ﾟ･･ﾟ･


拾って伊野尾に渡すと、とても悲しそうな表情になって、大切そうに汚れをはらっていた。
プレゼント用の袋だから、きっと大切な人に渡すものだったのだろう。


二宮)ラッピングし直したら、大丈夫だよ。
ほら、背中乗れる？


よろついている体を支えながら、背中に乗せると肩に頭をのせてきた。
相当、キテいるのだろう。

車に乗せてからも、顔色が悪い。
病院はいいみたいだけど、精神的なケアは必要そう。
山田がいれば、なんとかなるだろうか...。

山田に電話をかけると、すぐに出てくれた。
ちょうど、家に着いたタイミングだったみたいだ。

二宮)事故に巻き込まれて、怪我は軽いけど、まだ少し動揺してるみたい。
顔色もあまり良くない。
今から車で送るな

涼介)そーだったですね...
助けていただいて、ありがとうございます。
いま、ニュース速報流れ始めたした。結構大きな事故ですよね。

二宮)うん、ちょっとあまりの地獄絵図過ぎて、それも怖かったんじゃないかな。
帰ったら、ケアお願いね。




伊野尾の身体の震えが止まり始めたのを確認して、車を出発させた。

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