事実は小説より奇なり。【K/i/k/k/u/n】 (ページ19)

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Nineteen wings ページ19

「ありがとね」

「こちらこそ、先に連絡先を交換していなかったことを心から悔やんでいるよ」

「ううん、いいんだ。俺が無理にでも外出して人の目に触れればよかったのにそれをしなかったのが悪いんだ。Aちゃんが謝る必要ないよ」
「迷惑と心配かけてごめん」

そう言って頭を下げたきっくんに私は頭を上げろといい、不思議そうに首をかしげたきっくんに言った。

「友達は迷惑をかけるもんだ。自分が迷惑をかけていると思っても相手にとっちゃなんでもないことかもしれないんだ。少なくとも私はきっくんと友達だと思ってる」

きっくんはどう思ってる？
なんて言ってみたが、キョトンとしているきっくんはいまいち状況を理解していないらしい。
すかさずFBが友達じゃないの？と言った。

するときっくんは顔をパッと明るくして

「マジで？！俺Aちゃんの友達って言っていいの？」
「もちろん、私は最初から友達だと思っていたのだが。仏滅によくもやらかしてくれたが、それは良しとしよう」
「やったぁ！自慢しちゃおっかな！」
「くれぐれもウチのクラスの前に人だかりができるなんてことがないように頼むぞ」
「それは無理かも……」

このやり取りを聞いていたFBは笑顔で手を伸ばし

「お兄さんも混ぜてよ」

と言った。
FBが自分のことをお兄さんだなんて言うのは珍しいからすこしびっくりしたが、私もFBに向けて微笑みながら手をとり言ってやった。

「仕方ないな」

Fin