事実は小説より奇なり。【K/i/k/k/u/n】 (ページ14)

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Fourteen wings ページ14

教室に着くと、授業は自習になっているようでそれぞれが思い思いに話をしていた。
先程先生とすれ違ったのだから当然か、と自分の中で納得をして自分のロッカーに向かう。

リュックの中に適当に何冊か教科書を入れ、弁当箱とジャージを詰めたら帰る支度は完了だ。
あまり勉強で困ったことがないが、教科書は一応持ち帰ることにしている。
家で開くとしてもパラパラとめくるくらいだが、持ち替えっておいて損はない。

「よし」

「気をつけろよ」

「ありがとう、あろま君」

本日3回目の気をつけろをあろま君からいただいたところで急いで下駄箱へ向かう。
滑らないように、落ちないように。

全国階段降り選手権があれば一位を取れるのではないだろうか。
変な妄想をしながら急いで階段を降りて、かかとを踏んでしまっていたために潰れた上履きを下駄箱に入れ、代わりに靴を取り出す。
切実に今が授業中でよかったと思う。

私は今日が仏滅だということは忘れていたが、急ぐために自転車に乗ってきていたらしい。
本当に、私はなんてラッキーガールなんだろう。
そして朝の私、ナイス。

少し時間はかかってしまったが、なんとか自転車に乗ってFBの家に行けそうだ。
ギアを最大にして全速力で自転車を漕いだ。
学校からFBの家まではそうかからない。

「何も起こらなければいいのだが……」

色々な思いが頭をめぐる。
脳内はきっくんのことでいっぱいだった。

私は曲がり角を曲がった。