事実は小説より奇なり。【K/i/k/k/u/n】 (ページ11)

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Eleven wings ページ11

周りをキョロキョロみながら階段を降りてみると、これまた知らない世界が広がっていた。

階段を下り、すこし三階を探索する。
三階に職員室はなかった。
代わりに生物教室や化学準備室など理科系の教科の教室がたくさん並んでいた。
ここではないということはすぐにわかったので階段に戻り、下に降りた。

二階まで降りて右に曲がるとすぐに職員室があった。
ちなみに左には校長室や客間など来賓の方のための教室が多かった。

私は教科担当の係についていないので職員室にはあまり馴染みがない。
とはいえ、扉の近くの席に教頭が座っているのできっと話しかければいいのだろう。
コンコンコンとドアを三回ノックする。

「ん、どうしたんだ？……あぁ、そういえば今日は保健室が閉まっているんだったな」

「はい、頭痛が酷いので可能であれば早退させてもらいたいのですが……」

「そんなにかしこまらなくていい。ええと、君名前と学年は？」

「二年の神楽です。神様に楽しいで神楽」

教頭は珍しい苗字だなと言いながら二年生の名簿から生徒の情報を漁っていく。
多分、家に電話しても今はいないと思うが……。

「あ、あった。電話はどっちにかければいいかわかるか？家とお母さんの電話があるが……」

「多分母親の携帯電話なら出ると思います。でもちょっとびっくりするかもしれません」

「……よくわからんが、出る方にかけよう」