【呪術廻戦】堕ちろ

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無事釘崎を救出した2人


伏黒は脱出の準備を進めている


『……恵、そのまま野薔薇と一緒に出て。私やっぱり虎杖んとこ行く』

「…なんで」


突然の提案に驚く伏黒


『あそこに置いてきちゃった罪悪感とか諸々。あの時は残りの呪力がカラカラに近かったけどだいぶ戻ってきたの。鬼の気配もないし。

あ、でも虎杖との約束は実行して。虎杖がちゃんと戻ってこれればあれが多分最善策だから』


お願い


そう言うAに押されて、伏黒はため息を吐く


「…わかった。死ぬなよ」

『うん、ありがとう』


そしてAは踵を返した






進めば消える道を引き返すことはできない
だから前に進む他ない

ただ、それで虎杖をどうやって見つけるのか

Aはそれに苦戦していた


当てもなくただ歩き続けていれば、不意に聞こえる玉犬の遠吠え


伏黒からの合図だ


途端に一変する空気


重く、冷たくて息がし辛い


両面宿儺の気配が強い方へと足をすすめていれば、数十分前に来ていたあの場所へと辿り着いた


壁には穴が開き、その向こうからより一層強く感じる宿儺の気配を認識する


まだ呪霊と宿儺は戦っているようだ


話し声は聞こえるが、反響してどんな言葉を発しているのかはわからない


取り敢えず待機かな


そう思ったAは、壁に空いた穴の横に座り、宿儺に気づかれぬよう息を殺して待った





聞こえるのはコンクリートが大きく崩れる音と、宿儺の声


そのまま耳を澄ませていれば、宿儺の声が言った



領域展開


その瞬間、辺りの空気はより一層重さを増し、Aの本能は危険信号を出した


すぐさまそれを術式で受け止め、何とか攻撃を中和する


『……バレてないといいんだけど』


呪霊を祓ったのか、生得領域が閉じた


そしてまた聞こえるのは宿儺の声


「終わったぞ!!不愉快だ!!代わるのならさっさと代われ!!


…小僧?」


最悪だ!!1番嫌な事態に陥った!!!


『…クソ』


Aは場所を移動し、宿儺からは死角であろうところに身を隠す

そして右手で印を組んだ


『正』


宿儺にバレぬよう先制攻撃を仕掛けるも、呆気なく弾かれる


「女、隠れてコソコソしてた上に不意打ちとは


随分偉くなったものだな」

『疾(はや)…』


壁の穴から隠れるように様子を見ていたAだが、いつの間にか目の前には宿儺の顔がありすぐに攻撃体勢に入ろうとした


が、直後に脇腹に宿儺の脚が入りそれは叶わなかった

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