この手を離すな【銀魂】2

ったりめぇだ : 銀時 ページ17

土「……若え男ってんのは？」


銀「あ？ああ…、
確か、平太くんとか言ったな。
多分、下人か何かだろ」


土「…下人か」



土方くんは顎に手を置き、
1人、思考を廻らす。
俺は苛立ちながら、答えを求める。



銀「おい…っ！何知ってんだよ！
四辻は何かやらかしてんのか！？」


土「……何一つ、」


銀「あ！？」


土「何一つ、問題を起こしてねぇんだよ」


銀「…は？」



土方くんは掴みかかりそうな
俺との距離を、煩わしそうに身をかわす。



土「何日かけても何も出て来やしねぇ。
むしろ、疑わしい程に綺麗な奴だ」


銀「…勘が鈍ったか、税金泥棒」



呆れた口調で言うと
相当、勘に触ったのか
キッと睨み返して来やがった。
何日も寝てねぇのか、くまを携えて。



土「てめぇと同じだよ」


銀「は？おんなじ？」


土「カリスマだの何だの、
アホみてぇな呼ばれ方してるが
出生が一向に出て来やしねぇんだ。
白夜叉殿もそうだったと思うが？」


銀「出生だ？」


土「一代であそこまで成り上がった奴だ。
経緯を辿ったが、塵も出て来やしねぇんだよ」



お手上げだと言わんばかりに
土方くんは煙草に火を点ける。



銀「んなもん、決まってんだろ」


土「あ？」


銀「てめぇで消したんだよ」


土「…！」


銀「なかったことにしちまったんだろ」


土「……」


銀「まあ、俺はほんとに
覚えてねぇんだけどな」


土「…ややこしいこと言ってんじゃねぇぞ。
獄門だぞ、そりゃ」


銀「っは、今更だわ」


土「……だが、それは…」



また、
考え始めた土方くんの肩に掴みかかる。



銀「とにかくっ！」


土「んだっ！？…離せ、」


銀「お前が動かねぇなら、
不法侵入だろうが何だろうが
俺がやっからな！」


土「！？」


銀「…Aちゃんの、あの、
時間がねぇみてぇに必死に話す感じも
帰るじゃなくて、連れ戻される感じも
俺は捨て置けそうにねぇ。
だから、わざわざてめぇに確かめに来た。
お前が動かねぇなら俺が何とかする」


土「それで何もなかったら、どうする。
四辻だけじゃなく、Aにまで迷惑かけんだぞ。
あいつの立場も考えろ。
何にもねぇまんま、
派手に動ける相手じゃねぇんだ」


銀「…っ！だったら！
何か見つけろや！！確信できる何かをよ！」



掴み上げた肩を勢いよく、引き剥がす。
土方くんは再度、俺を睨み付け
自身に言い聞かせるように低く吠える。



土「黙れクソ野郎。
ったりめぇだろうが」

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