この手を離すな【銀魂】2

眼の保養 : 沖田 ページ40

沖「ふああぁ〜あ」


山「あ、おはようございます！
沖田隊長！大きな欠伸ですね」


沖「はよ。あ、そういえば
今日だったよなぁ？
新しい女中が来るのって…」


山「ええ、今副長が迎えに行ってます」


沖「は？何でわざわざ、
新入りの女中を迎えに
土方の野郎が出向いてんでさぁ」


山「さあ…？
俺も書類も何も見てないんで
どんな人が来るか、何も知らないんですよ。
まあ、多分通常通り
おばさんでしょうけどね」


沖「っち。たまには
眼の保養になりそうな別嬪を
選んでもいいじゃねぇかい」


山「そんな人いれたら、
沖田隊長だけじゃなくて
みんな、仕事サボっちゃいますよ」


沖「誰がいつサボったんでぃ」


近「おはよう！総悟！ザキ！」



ギロリと山崎を睨み付けると
背後から大きな声が聞こえた。



沖「近藤さん。また姉御のとこ、
行ってたんですかい」


近「朝のワークアウトにな！はははっ！
ふたりして何話してたんだ？」


山「ワークアウトって…。はあ。
ああ、局長はご存知なんですか？
新しい女中のこと」


近「ああ、トシから聞いてるよ。
訳ありみてぇだったから
連れて帰って来る昼過ぎに、
会議にて話すつもりだそうだ」


沖「会議ぃ？たかだか、女中の為に？」


山「訳ありって何ですかね…
とにかく、会議のこと
みんなに伝えておきますね！」


近「ああ、頼んだ！」



ぱたぱたと駆け出す、山崎を見送り
訝しげな俺に近藤さんがふっと漏らす。



近「あいつが影で動いてたことも
四辻の件だったんだろ？」


沖「……知りやせんよ。
土方さんとザキのふたりで
勝手にやってたみてぇなんで」


近「まあ、そのお陰で
獄門の四辻を逮捕、そして
救う事ができた女性もいたんだから
今回は眼を瞑ろうと思うが…。
仕方ない奴だな、トシは」



まるで子供のイタズラに
笑って肩を落とす、父親みてぇな
顔をして溜息を吐く、近藤さん。
気がかりなのは…、



沖「上も手古摺ってるみてぇですね、
四辻の自供」


近「ああ、こちらも掘って
探しちゃいるが…なかなかな。
とっつぁんとこの監獄なら
真選組よりキツい。
時間の問題だと思うぞ」


沖「……だといいんですけどねぃ」


近「こっちで洗ってる、下人や部下も
心酔仕切ってはいるが
親殺し、村潰しのことに関しては
ほんとに初耳のことだったみてぇだし
下手に手を貸す輩も出てこねえ筈だ。
気を引き締めて、俺らも
獄門に持っていけるようにしよう！」


沖「分かってまさぁ」

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