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斜め45度 : 銀時 ページ8

とくとくとくとく…



銀「あ、ありがとう、えと、
Aちゃん…?」



お酌をしてくれ、にっこりと微笑むAちゃん。
隣に座られるだけで、やばい。
この距離感、やばい。
斜め45度からの上目遣い、超やばい。



銀「…んくっ、はあぁー!
あ、Aちゃんも飲んでいいからね?」


「ふふ、はい、ありがとうございます」



これは酒に飲まれねぇと会話も侭ならねぇと
飲み進めるが、なんだよ、全然酔える気がしねぇんだけど。



銀「あー、Aちゃんは
最近入った子なの?
俺、逢ったことないと思うんだけど…」


「いえ、吉原に来てもう5年になる古株です。
銀時さまのことももちろん、存じておりますよ。
吉原の救世主さま」


銀「へっ!?あ、あれ、そうなんだ!!
おっかしいな!!こ、こんなべっぴんさん、
俺、絶対忘れない筈なんだけどなぁ!??」


「ふふふ、お上手ですね。
ああ、わたしは囲いにはいませんので
お眼に留まらなかったのかもしれません」


銀「ってことは、Aちゃんは
太夫クラスってこと?」


「クラスがあるのなら、その辺りに
なりますか、ね…?」



そりゃあ、そうだろ。
この子が囲いになんか入ってみろ。
店の前は色気づいた男でごった返しちまう。
5年も遊女やってると、こんな色っぽくなんのか。
動作ひとつ、気品で妖艶なんだけど。
肌も髪も息遣いまで、作られたモンみてぇだ。
同じ人間と思えねぇ…。



「銀時さまは、」


銀「あー、あのさ、堅苦しいの苦手で。
その、ほらせっかくなら仲良くなりてぇし…
あ!!へ、変な意味じゃなくてね!??
銀時さまはやめてくんねぇかな?」


「ごめんなさい…では、なんとお呼びすれば…」


銀「なんでもいいんだけど…。
もっと、普通に話していいよ。
俺、上物の客でもねぇしさ」


「ふふ、お優しいのですね。
では、…銀時さん。でいいですか?」


銀「ああ、うん。そっちの方が気が楽だわ!」

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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