ひみつ ページ10
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「よっ！！！」
「あ、茜ちゃん」
自分のクラスに入ったとき、茜ちゃんが手を上げて挨拶してくれた。
どうやら、私を待っていたらしい。私の彼氏が誰なのか、知りたいんだって。でも教えることはできない。
不意に、肩にトンと手が置かれた。
振り返れば、少しだけ話したことのある女の子が立っている。
「優里ちゃん、小林さん呼んでるよ」
「ほんとだ。ありがとう」
いえいえ、とその女の子は あいちゃんがいる方に指をさして教えてくれた。
あいちゃん、私に何の用だろう。ショッピ関係かな、それとも別のこと？ 疑問を持ちながらもあいちゃんの元へ行くと、笑顔だけど目が笑っていなかった。
あいちゃんは笑顔を崩さず、私が来たら眉を寄せ、何故か先程の笑顔は見当たらない。
「小野さんさー」
「うん」
「ショッピくんと付き合ってるんでしょ？」
「……え」
嫌味たらしく腕を組みながら言うあいちゃんに、動揺が隠せなかった。
いつバレた？なんでそれを知ってる？
目を白黒させる私を見て、はあーと大きなため息をつき、小さく舌打ちをした。
「昨日一緒に、仲良さそーに帰ってるの 見ちゃったんだよねぇ。ほんと、うざい。
私がショッピくんの本命の彼女なの。いい加減、別れてくれないかな？
早く別れないと危害加えるけど、いーの？」
「…は、」
なにそれ、本命の彼女って。
私がそうだと思ってたんだけど、違うの。本命があいちゃんなら、私、ただの自意識過剰じゃんか。
私の気持ちなんて無視して 自分の好き勝手に言いまくるのを見ていたら、だんだん腹が立ってきた。言いたいことを言えてスッキリしたのか、あいちゃんは「じゃ、よろしくね？」と捨て台詞のように言って、私のクラスの中を覗く。
「ショッピくーん」
ショッピ、いつの間に来てたんだ。
私は、ショッピに話しかけたあいちゃんを、ただぼーっと眺めることしかできなかった。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年7月1日 17時
