ひみつ ページ12
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不思議と目が乾いて、涙が出なかった。私が泣くのはちょっと違う気がしたけど、でも泣きたかった。
教室に戻って何もなかったかのように茜ちゃんと話していても、隣にショッピが座る気配を感じたら 肩が震えた。
怒ってるかな、と思ってちらっと見たけど、私に背を向けて 隣の男子と話している。
気にしてないみたいでよかったけど、あぁ、とも感じた。
私、完全にやらかしたんだなって。
「なぁショッピくん？」
ショッピの後ろの席の男の子が、ショッピに話しかけた。
その子は結構私とも仲良くしてくれて、なんと言ってもぐるぐるの眼鏡と天パが特徴的。
とまぁそんなことは置いといて、ダメだとわかっていたけど私は盗み聞きをした。
「なんか今日、優里ちゃんと冷めてへん？」
「え？なにそれ」
「いつも仲良しやん。うわ付き合ってんのかー！って思っとったけど、全然話さへんから」
「あー、気の所為でしょ。付き合ってへんし」
ドキリ、とした。ショッピはただ友達に誤魔化してるだけ だけど、それを聞いたらさすがにショックだ。
目頭が熱くなる。急いで両手で顔を隠した。
だめだ、ほんとに自分が嫌い。
「え、優里ちゃん、そーなん？」
「あ………うん」
「ビックリやわー！───あんな、ショッピくんって絶対優里ちゃんのこと好きやで？」
「っえぇ、なんで」
「いっつも見てるし 会話に出すから、やな」
ぐるぐる眼鏡の天パくんは、ショッピが席を立った隙に 小声でこっそり言った。
ふふーんとドヤ顔で言うが、そんなわけないよって私も言う。
ショッピの中で私の好感度はだだ下がりかもしれないけど、まだ好きでいてほしいっていう わがままなお願いも、心の中にある。
わがままを言うだけなら、多分、嫌われない。
私はまだ、ショッピがすきだから。好きな人が変わったなら、応援しないと。
「(………よし、)」
決めた。明日、ちゃんと言おう。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年7月1日 17時
