ひみつ ページ2
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「ショッピ、まだかな」
放課後は大抵の人は部活に行って、その他の人は家に帰る。なので教室には誰もいない。
待ってと言われたから待っているのに、話す人がいないからすごく暇だ。イスに座りながら窓を眺め始めて、15分は経つはず。
諦めて帰ろうかな、と立ち上がろうとしたら、扉がガラッと大袈裟に音を立てて開いた。
息を切らしながらそこに立っている、くせっ毛で茶髪の、大切なやつ。
扉を閉めてから私の元に早歩きでやってきて、目の前に立ち止まり、私のことを抱きしめた。
視界に入るのはショッピのネクタイとワイシャツで、ショッピの匂いもして安心する。
「遅れた。ほんま、ごめん」
「大丈夫だよ。でももう少し遅れてたら、帰ってた」
「え、酷ない？」
「だってずっと待ってたし」
私たちのこの会話からわかった人は、すごい察せる人だよ。
私とショッピは付き合ってる。でもなんでそれが秘密になるのかは、まだピンとこないでしょ。
実を言うと、ショッピの彼女はもう1人いる。それで私はショッピの彼女でもあるし、そうでもなかったりする。
浮気、ということではない。前ショッピが『告白されて返事返さなかったら、いつの間にか彼氏になってた』と焦りながら言っていたからだ。
スマホで告白されたらしく、未読スルーをしていたら 告白の返事はOKだと誤解されたらしい。もちろん、ショッピの自業自得もある。でも女の子の方もなぜその発想になるのか、わからない。
そのときから私たちは付き合っていたんだけど、周りには公表したくないってお互い思ってたから言わなかった。でも、こんなことになるなんて。
周りの友達は、ショッピの彼女が別の女の子だって思ってる。実際そうでもあるし、表向きはちゃんとショッピも仲良くしてる。
でもさ、やっぱり嫌なものは嫌だ。
「…………あいちゃんと別れられないの」
「そうしたいんやけど、あっちが言わせてくれへん。それに俺と小林の噂、もう全校に広まっとる」
「そ、か」
嫌だけど、どうすることもできない。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年7月1日 17時
