story1-4 ページ10
彼女は一度傾けかけたジョッキを俺の方に向けた。
「あ、ありがとうございます。いただきます！」
「え？あ、どうぞ」
「あ、乾杯」
「あ、かんぱい」
彼女が俺の持ってたジョッキに自分のを軽く合わせた。
「あの。。」
俺が色々不思議そうな顔をしてたんだろう。
「あ、これ？」
「はい」
持ってたジョッキを指さしてもう一度グイっと美味しそうに飲んでからジョッキを置いて俺を見た。
「私もただのお客さんなの」
「え？そうなの？」
「そう、マスターってば故郷の味が食べたい人に作れないって言いたくないのね。で、いつの間にかお客さんの中で作れる人やレシピ知ってる人が作るようになったの」
「へぇ。じゃあ、ナクチポックンなんて簡単だったか」
独り言のように呟いたら彼女が笑った。
「いるのよ、挑戦してくる意地悪なお客さんが(笑)」
「いや、そうじゃないけど」
「いいのいいの、みんなも楽しんでるから」
でも少し話して分かったことがあった。
こんな風に気楽に話す感じ、左手の中指にしてるあの指輪。
あの指輪はオシャレでしている感じがしない。
シンプルで誰かが自分のものだと言いたげな指輪だった。
「彼氏、一緒じゃないの？」
「うん、彼とはもう少し静かなとこに行くから(笑)」
「悪かったね」
聞いてないふりしてたマスターが一言口を挟む。
「うふふ、マスターには見せないもん」
「なんだよ、いい男かどうか俺が見極めてやるのに」
「私が見極めたんだからいいの(笑)」
やっぱりね、こんな料理上手で美味しそうにビールを飲む子が彼氏がいないわけないよな。
「それに私、今日はマスターに相談があったんだけど。。」
「俺？」
「うん、でも彼の方が適任♪」
「てきにん？」
「あ、合ってるってこと」
「あぁ」
初めて会った俺に相談？
いいのかな？
「韓国人の男の子についての相談だから」
「彼氏？」
「ううん」
ちょっと困ったように微笑んで首を振った。
「何ストーカー？」
マスターがまた口を挟む。
「そんなんじゃないけど(笑)」
「何で分かんないよぉ、そんなの。ね？」
「あ、まぁそっかな」
同意を求められてなんとなく濁らせた。
だって日本の男と韓国人の男は多分違いがあるんだろうけどまだ俺もよくは分かってない。
「どんな男？」
「それが。。」
少し言い淀んで彼女が俺の耳元に近づいた。
「すっごいイケメンの年下の男の子なの」
モテモテじゃん。
彼氏までいる上にそれじゃあ俺の出る幕はやっぱり1ミリもないな。
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yuna(プロフ) - ファントムさん» ただいま戻りました！ありがとうございます。私もアイノカタチに思い入れがあって続編を書きたいんですが中々思うようにいきませんね。とにかくこれと書きかけのものを終わらせるのが目標です！よろしくお願いします!(^^)! (2019年9月7日 23時) (
レス) id: 631424b5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ファントム(プロフ) - お帰りなさい。アイノカタチは私がウラツクにハマったキッカケのお話でした。泣きながら読んでました。またyunaさんのお話を読めるのが嬉しいです。無理なく更新して下さいね。 (2019年8月31日 2時) (レス) id: 3983c3a52d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuna
| 作者ホームページ：http://blog.goo.ne.jp/kecyabulnts
作成日時：2019年8月30日 21時
