story1-8 ページ14
あの日、僕にとって人生最大の挫折を感じた日だった。
今までだってうまくいかない事もあったし最大って事ならその後だってあった。
でもあの頃の僕にとっては初めて感じた挫折だった。
初のツアーのキャパが小さいってことは納得したけどそのキャパさえ即完出来ないことがショックだった。
だけど僕はそれを周りに見せてはいけない気がしていた。
だから、あんな夜遅くにあてもなく歩いていたんだ。
そして辿り着いたのがいつかのあの公園だった。
「誰もいないよなぁ」
何であそこに行ったんだろう？
今にして思えばそれこそが運命なんだけど。
周りを見ると高層のビルやマンションが多くて星が見えない。
というより月も見えない。
ソウルでは意外と夜空も綺麗だった。
「タルド ボイジ アンヌン。。」
「こんばんわ」
「え？」
振り返ったら嘘みたいに君がいた。
「こ、こ、こ。。こんばんわ。。」
「あの」
「はいっ」
「今なんて？」
「え？」
僕たちは何となく初めて会ったあのベンチに腰掛けた。
「この前もなんとなく聞きたかったんだけど」
日本語のニュアンスがうまくないんだろうな。
単語もまだ全然少ないし、多分見た目じゃなくそっちだ。
「どこの国からいらしたんですか？」
「え？」
「。。あ、来たんですか？」
「あぁ、韓国です」
「じゃあ、ハングルですね、さっきの」
「そうです。えっとタルド ボイジ アンヌン。。月も見えない」
僕たちは同じように空を見上げた。
「何かあったんですか？」
君が何気なく聞いた。
本当に何気なかったから君が僕のモヤモヤしたこの気持ちに気づいてそう言ったのかどうなのかはわからなかった。
でもだからこそ僕は君に話したくなったのかもしれない。
「嫌なことが多すぎて、」
「今日は新月だから月は見えないんですよ」
「え？」
僕の愚痴はスルーなのかと思ったら、君は話を続けた。
「月も見てないし、私はハングルが分からないし、でも話し相手がいたら愚痴にならないから」
「え？」
僕はもう一度聞き返した。
分からなかったわけじゃなく、話の意図を聞き返したんだ。
「愚痴じゃなく本当はこうなりたいっていう目標を掲げてるだけになるし(笑)」
あぁ、そういうことか。
でも僕は違う事を思ってたんだ。
これはやっぱり運命だ。
story1-9 ジェジュンの話 9月18日更新→←story1-7 ユノの話 9月16日更新
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「東方神起」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuna(プロフ) - ファントムさん» ただいま戻りました！ありがとうございます。私もアイノカタチに思い入れがあって続編を書きたいんですが中々思うようにいきませんね。とにかくこれと書きかけのものを終わらせるのが目標です！よろしくお願いします!(^^)! (2019年9月7日 23時) (
レス) id: 631424b5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ファントム(プロフ) - お帰りなさい。アイノカタチは私がウラツクにハマったキッカケのお話でした。泣きながら読んでました。またyunaさんのお話を読めるのが嬉しいです。無理なく更新して下さいね。 (2019年8月31日 2時) (レス) id: 3983c3a52d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuna
| 作者ホームページ：http://blog.goo.ne.jp/kecyabulnts
作成日時：2019年8月30日 21時
