素直 ページ6
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「…………シャオちゃん？なんで何もせえへんで帰ってきたん〜？？」
「……あ、忘れとった」
「何やっとんの」
悪気はないねん、とヘラヘラしているシャオロンを見て、オスマンは深いため息を零した。
シャオロンは、オスマンからセレナとショッピがいい感じだから上手く離してこいと頼まれ、2人の元へと向かったのだ。それは別によくて、怒る要素などない。
しかし本気で忘れたのか、あるいはわざと忘れたフリをしたのか、シャオロンは2人を離すどころか自分までいい感じになってしまった。それでオスマンが怒った、ということ。
「セレナちゃんに見つめられとって？」
「せやな」
「ちゃっかり好感度も上げて？？」
「上げたかってん！」
「まとめると、シャオちゃんばっかりずるいってことや」
「俺に頼んだのが間違いやったで」
なんやコイツ、大先生並にウザイ。
貼り付けたような笑みから一変、鋭い視線かつ真顔でシャオロンを睨む。
本当はオスマンだって2人の間に割り込んで、自分もセレナといい感じになりたかった。が、思いとは裏腹に行動で表せない。
オスマン以外の幹部もそんなもんだ。
好きな相手でも素直になれるショッピを、是非見習いたい。
「待って、オスマン？」
「なに？」
「ショッピくんがこっち来とる」
「バレとったんや……」
ショッピを見習いたいとは思っているが、嫉妬深いところは見習いたくない。
最初から俺らに気づいとったんか、とオスマンもシャオロンも軽く恐怖を覚えた。
ガチめにショッピくんのセレナ愛は、引くくらいすごいで。でも負けてられへんな、とシャオロンはしみじみ思う。
「オスマンさん、ずっと見てましたよね」
「………………めう」
「別に気にしないですけど。
お二人よりセレナのこと好きですし、愛せるので」
あくまでも先輩にあたる人物をショッピは嘲笑いながら、余裕そうな顔で言う。
その自信がどこから出るのか聞きたいものだ。
やや押され気味だったオスマンとシャオロンは、負けられへんな〜とお互い意気込むのだった。
「セレナって何が好きなん？」
「自分で聞いてください。てか、好きなものも知らないんすね」
「つよ……」
「セレナちゃんは俺みたいな紳士が好きやと思うんよね〜」
「そうっすか。…根拠の無い自信やわ、聞いてて恥ずかしくなる」
「シャオちゃん無理や。ショッピくんには勝てへん…！」
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年11月3日 18時
