不器用 ページ14
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「じゃあ、いってきます」
「いってくるでー」
「セレナ、ホンマに大丈夫？ロボロさんになんかされたら帰ってくるんやで」
妙に必死なショッピの顔には、ほんのり汗が滲んでいた。そんなに心配しなくてもいいよ、と言おうとしたが、それは心の中にしまっておくことにした。
ショッピ以外に見送りに来てくれている人もいて、嬉しいっていう気持ちを抑えられずに口角が上がってしまう。いつからこんなに表情筋、ゆるゆるになっちゃったんだ。
見送りに来てくれているショッピ、あとチーノや鬱さんとエーミールさん、そしてグルッペンさんへ ぺこりと頭を下げて、屋敷を出た。
「やっとセレナと2人きりや…！
みんないる前ではな、素直に喜べなかってん。俺そういうキャラやないし！」
「そ、そうだね」
「セレナ〜〜〜〜〜！！！！」
屋敷を出てすぐにロボロさんが突然そんなことを言って抱きついてきた。
彼は、みんなの前だとツンツンしてて冷たい。けれど2人だけになると、途端にキャラが変わって甘くなる。わかりやすく言うと、猫かぶってるってことだ。
わかった上で接すると、冷たくされても「あ、本当の彼じゃないんだよね」と理解できるのでありがたい。
しかし今は、全然ありがたくない。ロボロさんの方が背は少し高めだが、それでも大きな身長差はないので顔が近くなる。
「ロボロさん、顔、近いです」
「わっ、ごめんな───……ん？セレナ、照れとるん…？」
「っ」
「んふふ。図星やな？可愛ええ〜〜〜」
ロボロさんは前に女性経験があまりないと教えてくれたけど、本当にそうなの？
もし本当だとしたら、無自覚でドキドキさせるの、怖い。
彼から離れてくれる気配が全くないので、私がロボロさんのことを精一杯押して何とか離れることに成功した。普通に緊張したし顔熱いし、汗が止まらないし…。
「…………もうロボロさんと話したくないです」
「えぇ！？」
「ロボロさんがある意味怖いです」
「ある意味？……ちょ、待って？どういうこと？」
「自分で考えてください」
しばらくロボロさんから離れておいた。
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▼ 新作のネタをちまちま書いてます。
……………………合作とかしたいなぁ。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年11月3日 18時
