Trick and Treat.【USSS】 (ページ9)

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未だページ9

Side:A

「ん゛……」

薄く目を開ける。
……なんだかすごくスッキリ寝られたな。
やはりマットレスとかの具合だろうか。

あ、でもまだ外は暗い。
筋トレしてから、昨日ちゃんと夜に寝たはずだけど。

ちら、と時計を見てみる。

「……11時半……？」

針はちょうど11時半すぎ。
……？寝たのは夜の11時ちょっと過ぎ、だったと思うけど。

まだ1時間弱しか寝てないのか。
なのにこの満足感。マットレスの違いってすごいな。

体の疲れとかもすっかりなくなっている。すごい。

……暇だし、もうちょっと筋トレでもしようかな。筋肉痛無いし、効いてないのかも。

それに食べられたら元も子もないし、するに越したことはない。

部屋を出て、すぐそばの階段を登る。
階段を登りきって、甲板まで上がる。

すると、一つの人影が。
暗くてよく見えないけど、軍人のような格好。
記憶が正しければ、確か志麻さんだったはず。

「……あ、……えーっと、志麻さん？」

とん、と軽く一回背中を突くと、うぉ、という声を出され、

「……ニンゲンやん。なんの用や」

と、少し不機嫌気味に振り返った。
よかった、顔も志麻さんだ。服装おなじだけど違う人とかじゃなくてよかった。

「あ、良かった、志麻さんだ……。
それにしても志麻さん、何してるんですか？さっきもここ居ましたよね？」

「は？何言うてんねん、さっきは普通に自分の部屋居ったわ」

目をぱちくりさせる。
さっき人間は食料、みたいなこと私に言ってなかったっけ？

「え？でもさっき会いませんでした？」

「は？会っとらんわ、怖。まぁええわ。さっさと飯食い行こ」

「え？っあ、行きます！」

微妙に話が食い違っているような気がするが、まぁいいか。

なんだかんだ志麻さんいい人だな。
やっぱ私スカート履いてるし女の子だし優しいのかも……

紳士だな、紳士志麻さんだな。