Trick and Treat.【USSS】 (ページ26)

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魔法使いページ26

Side:A

にこにこと笑う、目の前の女の人。

「危なかったね、なんかされなかった？」

ふるふると顔を横に振ると、「そ」と、微笑みながらそう返された。

…………女神の微笑みみたいだな。

「……あれ、ニンゲンとなるせじゃん、なにしてんの？坂田は？」

「あぁ、うらたさんだ。この子、攫われてたけど。大事な子はちゃんと守らなきゃでしょ。はい」

女の人から頭にちゅ、とキスを落とされてから、うらたさんに引き渡され、腕の中にすっぽりと収まる。

……うらたさん体温高いな。

「……お前なぁ」

「なぁに？」

にこにこと笑う女の人。
それに睨み返してるけど、うらたさんどうしたんだろう。

「……キス」

キス？ちゅってされたけど、アメリカとかの挨拶……みたいなものだと思うんだけど、どうしたんだろう。

「……ていうかお前、さっきからなんも喋んねぇけど、どうした？」

「ああ、この子魔法かけられてるみたいだよ」

「攫った奴らかな。結構魔法強いし。うちなら坂田くらいのレベル。とりあえず解くから、こっち向け」

言われたとおりにうらたさんの方に向くと、おでこをちょん、と触られる。

「……あ。」

「解けたか。お前、攫われた奴らに怪我とかさせられてない？」

「い、いえ、大丈夫ですた」

「ですた……。」

「まぁいいわ。とりあえず大臣とかにも挨拶はしたし、帰れるけど。どうする？」

「あー……。おまかせします」

「じゃあ帰るか。じゃあな、なるせ」

「ん、またね。うらたさん、それとお気に入りちゃん。」

▽

「つーか坂田は？」

「あぁ……。途中で自由行動を命じられて」

「アイツなぁ……。とりあえず後で説教だな」

「はは……。」

ふん、と鼻を鳴らすうらたさん。
坂田さん、災難だなぁ。

「……あ、そういえば。」

「？」

「なるせってやつ居たじゃん。あのピンク髪の。」

「あぁ、あの可愛らしい女の人。」

「そうそう。あいつ、女じゃねえぞ」

「え？」

「お前頭ににちゅーされてたなぁと思って」

「……。……えっ?!」