Trick and Treat.【USSS】 (ページ21)

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行動開始ページ21

Side:A

船の縁(へり)に寄りかかって、空を眺めていた。

星、きれいだなぁ。
月も眩しいし、暗いってすごい。

すると、いきなりガタン、と言う音とともに船が止まった。

縁にいたもんだから、背中を思い切りぶつけてしまった。痛い。

「おいニンゲン、行くで」

「あ、着きました?行きますか」

坂田さんから差し伸べられた手を取ろうとする。
と、その瞬間に手を引っ込められた。

じとりとした目で睨むと、くく、と少し笑ってから、はい、ともう一度手を差し伸べられた。

笑いすぎたからか、軽く涙目になりながら坂田さんは手を引っ張ってくれた。

そして、

「俺の側ぜったい離れんとってな、絶対やで」

と、私の手を自身の腕に巻きつけた。

「お前は一言も喋らんといて、俺が全部受け答えするし。」

「えっ、なんでですか？」

「ほら、俺らみたいな奴ら居るかもしらんし。」

「……？」

「相手が承諾すればそれを叶えるって名目で何でもできるってこと。」

「ほー……？」

「……わかっとらんやろ。ま、ええわ。とりあえず今日は一言も喋んなよ、絶対。」

「りょ、了解です……」

「じゃ、ほな行こか」