いきどまり ページ3
Side:A
「……あれ」
路地裏を進んでいると、行き止まりにあたった。
この道は大通りに出るはずだ。一本道で迷うわけもないし、なぜだろう。
不思議に思って、スマホで調べようとした、その時。
「……あれ、ニンゲンのにおいする」
背後から、声がした。
驚いて振り向くと、四人の男の人が。
すごくクオリティの高い衣装の、男の人。きっとハロウィンだからだろう。
恐ろしく浮かれているし、関わりたくないタイプの人種だな。
軽く会釈をして、横を通り抜けようとする。
……あの男の人たちも、迷ったのかな。まぁなんでもいいか。
しかし、
「あ、ちょっと待ってくれない？」
「ぐぇ」
羽をつけた男の人に制服の襟を掴まれた。
「……な、なんですか、」
男の人はふぅん、と品定めするようにこちらを見る。
「決めた。」
「え？」
にこにことこちらを見据え、がっしりと腕を掴まれた。
「ふぅん、その子にしたん？」
「なるほどな、まぁ肉付きはそこまでやけど……」
なんの話をしているのかわからない。ていうか誰だこの人。
なんで私は腕を掴まれているのだろうか。
……それに、なんだか掴まれたときよりも力が強くなっているような気がするのだが。
「……あの、離してくれませんか。痛くて」
「ん？あぁ、ごめんごめん。」
少し力を緩めてくれて、痛くはなくなった。
が、離してはくれない。
「あの……？」
「お前、家で嫌なことあるだろ」
「え？」
いきなり、なんなんだ。
誰でも当てはまるような曖昧なことをそれっぽく話す、バーナム効果、みたいな話？
そんなふうに思っていたのに。
腕を強く引かれ、顔と顔との距離が近くなる。
もちろん、生まれるのは色恋話でもなんでもなく、ただの恐怖。
「両親からは煙たがられて、妹からは憐れみの目で見られて、本当に憐れなニンゲン。」
「は？」
「今日だって飯まで捨てられて」
「……なんで、知って、」
ぐい、と反対からもう片方の手を引かれる。
さっきとは違う、ローブを被った、赤髪の人。
「こんな世界から逃げ出したいんやろ？
ほら、言ってええよ、アンタの想い、全部。」
「何言って、」
自分のことなんて言うわけ無い。
大人の男の人、ましてや出会ってまだ５分も経っていないような人に。
なのに、なぜだろうか。
この人の目を見ていると、なんだか―――
「―――私は、家族から逃げたくて、」
すべてを言ってしまいたく、なる
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年2月15日 23時) (
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2020年8月29日 14時
