Trick and Treat.【USSS】 (ページ18)

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赤い表紙ページ18

Side:A

図書館へ行き、本を1冊2冊見繕う。

私自身か、それともそれ以外かはわからないが、どうやら魔法がかかっているらしく、知らない文字もスラスラ読めた。便利。

とりあえず部屋に持っていって布団で読もうかな。

そう思って、図書館を出て、廊下を歩いていたとき。

一冊の本が、目についた。

廊下の真ん中にぽつんと落ちている、赤い表紙の分厚い本。

なんだろう、これ。

手にとって、表紙を見てみる。
が、タイトルは書いていない。

「……あれ、ニンゲンやんか、どうしたん？」

「あ、センラさん。なんか本が落ちてて。
これ、なにかわかりますか？」

振り返るとセンラさんがいて、私は落ちていた本を見せた。

すると、ぎょっとした顔をして、そのあと少しの苦笑いを浮かべていた。

「……げ。見つけちゃったかぁ……。」

「……え？これ見ちゃいけないものでした？」

「本開いて見ればわかるで、どーぞ」

返された本の表紙を開いてみる。

「“招待状”……？」

「そ。その名のとおり、やで
あー……、うらたんに報告せんと……。」

「へー……」

「ごめんな、その本もらうわ。じゃ、うらたんとこ行ってくるなぁ」

「あ、いってらっしゃい…ませ？」

「はは、なんやねんそれ
とりあえず部屋戻っとき、また坂田に食われるで」

「はは……戻っておきます」

あー……と不機嫌そうな声を出し、センラさんは船長室の方へ歩いていった。

……それにしても、招待状、か。パーティーか何かなのかな？
でも、なんであんなに嫌そうなんだろう。

あとで誰かに聞いてみようかな。