Trick and Treat.【USSS】 (ページ13)

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図書館ページ13

Side:A

「あった、これかな……？」

分厚い本ばっかりの図書館。
一年じゃ読み切れないだろうな、と思うほどの量の本からなんとか見つけた本。

“おばけだいじてん”

妖怪とかそういうおばけに関しての本らしい。

ぺら、と一枚ページをめくってみる。

フランケンシュタイン
攻撃力 ★★★★☆
防御力 ★★☆☆☆
背高度 ★★★★★

ちがうな。これ多分違うやつだ。
はー……と息を吐いて本をもとの場所に戻した。

うーん、なかなか見つからないな……。

そんな風に本棚の前で右往左往していたら、後ろから声をかけられた。

「あれ、ニンゲン。なんか探しもん？」

「……あ、志麻さん。いまキョンシーの本探してて」

「キョンシー？またニッチやなぁ……。そんならこれがええんちゃう？わかりやすいし。
結構他のおばけのとかも載ってんで」

「ほー……」

渡された本を流し見してみる。
わかりやすそうだし、ちゃんとしてそう。

「ありがとうございます、読んでみますね！」

本を持って、近くの椅子に腰掛ける。

目次から、僵尸(キョンシー)の欄を見つけ、そのページまでぱらばらめくる。

“キョンシーの歯、爪には毒があり、噛まれたり引っかかれたりすると僵尸となる。
毒が回り、死に、そして残った魂が僵尸となるのだ。”

「はぇー……」

ぱらぱらとまたページをめくる。

“ルシフェルとは、光をもたらす堕天使の名である。そして堕天使の長であるサタンの別名であり、魔王サタンの堕落前の天使としての呼称である。”

……なんか難しいな。

「へぇ、うらたさんとセンラのこと知りたいん？」

「あぁ、はいそうなんです。センラさんに聞いたら、図書館に文献があるらしくて。」

「あー、文献探しとったん？ならこっちやな」

すぐ左の本棚、少し高めのところにある薄めの本を手渡される。

「へぇ、これが文献……。」

ぱらぱらとめくってみる。
“杭州劉以賢，善寫照。鄰人有一子一父而居室者”
ずらっと漢字が並んでいる。
……中国語、だろうか。読めねぇ。

「んー……。無理ですね！お返しします！」

「はは、だろうな。予想通りやで」

「え？」

「はは」

「ちょっとそれどういう意味ですか」