Trick and Treat.【USSS】 (ページ12)

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僵尸ページ12

Side:A

「ふぅー……気持ちよかったぁ……」

シャワーで濡れた髪をタオルで軽く乾かす。
ラッキースケベでキャー！……なんてことはなく、ふつうにシャワーを浴びて終わった。

ドライヤーとかは無いよなぁ、流石に。

そんなふうに、タオルで髪をわしゃわしゃしながら、部屋に戻る途中。

「あ、ニンゲンやん！ええ匂いやなぁ……。」

にこにことセンラさんがこちらに駆けてきた。

「……そのいい匂い、っていうの、食欲をそそるって意味だって知ってますからね」

坂田さんに聞いたんだから！と付け足す。

「え？いやいや、ちゃうちゃう。
たぶんうらたんのシャンプーやろ？やっぱ石鹸の匂い、ええなぁと思て」

「あれ……？もしかして美味しい匂い落ちてます……？よかったぁ」

「……まぁ、そういう食欲的な意味のいい匂い、も混じってるけどな。俺、キョンシーやから鼻ええねん」

「へー……。キョンシーって、鼻いいんですね」

「そりゃもう、犬と同じくらいかそれよりも上かレベルやで？」

キョンシーって、鼻良かったんだ。知らなかった。
原作(？)のキョンシーも、鼻はいいんだろうか。ここ電波ないからわからないけど。

……そういえば。
ふと、気になっていたことを思い出した。

「…………あっ、そうだ。気になってたんですけど、センラさんって、腕曲げれるんですか？」

「え？全然曲げれるけど……。いきなりなんで？」

「えーっと、私が知ってるキョンシーって手を前に突き出してるイメージがありまして」

ぴっと前に手を出し、キョンシーのポーズをする。
するとセンラさんは、はははと笑った。

「はは、キョンシーなりたての奴らは、まぁそうやな。時間経てば関節柔らかくなんねん。
もちろん今でも、前にしてたほうが楽っちゃ楽やけどな。ほぼ変わらんけど」

「へぇ、そうなんですか、初耳です！
ちょっとイメージとは違うんですね」

「どんなイメージやねん、って感じやけどな」

「確かにキョンシー側からしたらそうかもしれませんね、
……あぁ、じゃあ噛まれたらキョンシーになるってのも……？」

「あぁ、それは本当やで、細かいとこはちょっと違うけど、だいたいそう。」

「へー……そういうこともあるんですね……すご」

「妖怪の文献とかは図書館にあるから、暇だったら行ってみたらどうや？」

「そうなんですね、見てみようと思います！行ってきますね！」