第一章 宴の夜 ページ2
ホグワーツの組分けの儀式が始まっていると言うのに、汽車に乗り遅れて、フクロウ便を出してから、返事が来るのを待ち続けたバカ少女。A・フローレンスは大広間の前のドアで縮こもっていた。
｢あたしのバカっ……。ホグワーツに入学したからには、忘れ物も辞めようって…ドジ踏むのも辞めようって…決めたのに……。｣
涙をギリギリのところでおさえ、大広間のドアに耳をくっつけた。
どうやら今はロナルド・ウィーズリーと言う子の組分け中だそうだ。
魔法界に来て買い物をしてる時に、誰かが言っていた。
ウィーズリー家は大家族で、とても賑やかなところだと。
一人っ子のあたしにしてはとても理想的な家族だったのだ。
そのウィーズリーが、同じ学年にいるんだから、友達になりたいなぁ。なれるかなぁ。
なんて考えていると、何個か先の子ご呼ばれていた。
ハリー・ポッター
Aは先ずその言葉を聞いて、とっさに立ち上がった。
そして………
｢ハリー・ポッターって！！！？｣
そう叫びながら大広間のドアを思いっきり開けた。開けて直ぐに後悔した。
友達なんて出来たこともないような縮こまりバカなあたしが、入学早々バカなことに、遅刻してきたなんて…そんな噂が学校中に流れたら…。
考えが先走ってしまった。
幸い、大広間の人達はハリー・ポッターと聞いてザワザワと騒いでいたから、Aの存在には気づいていなかった。
Aはホッとして、小走りで一年生の集団に入っていった。
｢A・フローレンス！！｣
Aの名前が呼ばれた。
Aはフワフワと髪を靡かせながら前に出た。
皆の痛いほどの視線の中、一人大きな帽子に顔を埋めた少女は、ドキドキと鳴る心臓の音がばれるのでは無いかと言う心配をしていた。
｢ほーぅ。よーぉし。｣
しわくちゃな組分け帽子は少し時間をかけてから、こう言った。
｢やるべき事をやりなさい。やるべき事を見つけるための仲間を作りなさい。君の才能を……生かせるような。｣
｢グリフィン！！ドーーーーール！！！！｣
組分け帽子がそう言うと、赤い集団が大きな拍手や歓声で迎えてくれた。
Aはにっこり笑いながらグリフィンドールの集団に入っていった。
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