東海オンエアのひめ２

むかしのはなし/りょう ページ45

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(A)


高校2年生の春


『しば、おはよ！』

し「さとちゃん、おはー。」

無事に今年もしばと同じクラスになれた。
残念ながら、てつやとゆめまるとは今年も違うけど。



り「佐藤さん、おはよ。」

『あ、おはよ。』

し「俺、りょうくんと仲良くなったの！」

『へー、そうなんだ。』

しばと仲良さそうに話すその人は福尾亮くん。

背がすらっとしててモテそうな雰囲気だ。
ていうか、かっこいい。

り「いつもてつやとゆめまるから話聞いてるよ！
おもしろい子だって。笑」

『わたしそんなおもしろいキャラじゃないけど。笑』

ニコッと笑う姿にちょっときゅんとした。

し「俺といる時もおもしろいキャラ出してよ。笑」

『だからおもしろいキャラじゃないって！笑』


しばやてつや、ゆめまると仲良いから安心。
新たに友達が出来そうで嬉しかった。






この日の放課後もてつややゆめまると一緒に帰るのを待つ為に、図書室で勉強していた。

り「よし、一番乗り！」

扉の方を見ると、ニコニコ笑ったりょうくん。

『あ、おつかれ！』

「おつかれ！
俺も一緒に帰っていい？」

『うん、いいよー。』

「てつやが顧問に捕まっちゃったんだよね。笑」

『あー、いつものことだね。笑
じゃあまだ時間かかるか。』

「うん、そうだね。」


初めて話した初日にふたりっきりってなんか緊張するな...

り「勉強してんの？」

そう言ってノートを覗き込んでくるりょうくん。

『うん、いつも2人待ってる時勉強してるよ。』

「すげー、さすが学年トップだ。笑」

『なんかムカつく。笑』

「ごめんごめん。笑」


ヘラヘラ笑ってるりょうくん。
この人、人との距離詰めるのうまい。

「待ってる間、勉強教えてよ。」

そう言って、隣に座ってくる。




「うわ、すげー！分かった！」

『こんなんで分かったの！？
頭いいね。笑』

「なんかムカつく。笑」

『ごめんごめん。笑』


すると、わたしの頬をきゅっとつまむりょうくん。

「あ、ブスだ。笑」

『ちょっと！笑』

急に顔を触られてドキドキした。

「いや、めっちゃほっぺた柔らかそうだなと思って。笑」

ごめんごめん、って言いながらほっぺたを撫でてくるりょうくん。


何故かりょうくんの周りだけキラキラ輝いてて、ドキドキする。
これが一目惚れってやつなのかな...


そう思えば思うほど、りょうくんのことを気にしてしまう。


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