東海オンエアのひめ２

むかしのはなし/ゆめまる ページ20

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(A)


高校に入って約1ヶ月。
今この瞬間、しば以外に友達が出来た。


「俺、小柳津徹也！」

『あ、佐藤Aです。』

て「後ろにいるのが、ゆめまる！」

『あ、よろしく。』

ゆ「よろしく。」


てつやって子は愛想が良くて、キラキラしててちょっとしばと似ているところがある。
それとは打って変わって、後ろのゆめまるという子は愛想はあまり良くない。

さっきまで、てつやくんの事を心配そうに見つめていたのに。
わたしのことをあまりよく思っていないらしい。





次の日の放課後。

陸上部のてつやくんとゆめまるくんの終わりを待って2人と合流する。

て「おまたせー！」

『お疲れ様！』


3人でその辺の階段に座った。

『ジュース買ってきた！飲む？』

て「飲む―！」

『はい、どうぞ。』

て「ありがとう！」


て「ていうか、部活終わんの待たせてごめんね。」

『全然！友達が一緒に待っててくれたから。』

ゆ「友達っていつも一緒にいる男の子？」

『そう！しばた！』

て「まじでいつも一緒にいるよね？笑」

ゆ「付き合ってるん？」


ん？なんかめちゃくちゃ棘のある言い方だな、、
そんな怖い顔せんでもいいのに。

『中一の時から仲良いけど、付き合ってないよー。』

ちょっとゆめまるくんって怖いな、、


て「めっちゃ付き合ってる噂流れてるけどね。笑」

わたしとゆめまるくんに流れている雰囲気に気付いてるのか、気付いていないのか。
ニコニコ笑って、やっぱり少ししばにそっくり。


ゆ「男好きって感じだね。」

『え？？？』

ゆ「やっぱ俺帰るわ！」

そう言って、帰って行ったゆめまるくん。

て「おーい！ゆめまるー！」


あんなに友達には優しいのに、嫌いな人には当たり強いんだ。

て「なんかごめんね。
ゆめまる、面白い奴なんだけどなー。」

『ううん！別に大丈夫！』

そう言って、笑っては見たもののやっぱり気持ちは晴れなかった。




その後も何度か廊下ですれ違ったりしたけど、挨拶くらいしか交わさない。
やっぱり初めて会った時に、友達想いって思ったの間違いだったんかな。
まあ、確かにゆめまるくんと友達になった覚えはない。


友達はしばだけでいい、って思ってたから別にいいかな、とも思った。


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