【名探偵コナン】元FBI捜査官、日本に帰るってさ【男主】

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『じゃあ、乾杯〜』



沖｢………｣





ウイスキーが注がれたグラスを軽くぶつけ音を立てる。バーボンとかスコッチが好きなのも変わってない。無愛想で無口なのも昔のまま。








『ねぇ、なんで変装なんてしてんの？』




沖｢なんの事でしょうか？｣




『ふぅん…貫き通すんだ？俺に？』




沖｢貴方が何を言ってるのかサッパリです｣






わざとキョトンとした顔を見せる沖矢昴に色々聞きたいことがある。なんで死んだと思わせているのか…変装してまでこの米花町に居続けるのか。お前はあの組織を追っていたんじゃないのか？グラスを持つ手に力が入り、氷が揺れる。俺、チームの中では割とお前のこと慕ってたし信頼されてると思ってたんだけどなぁー……どんな意図があるのか知らないが、内緒にしたいならそうするのに。ーーーー俺にくらい、言ってくれてもいいのに











『……ま、いいや。それより気になる事があったんだけど聞いていい？』




沖｢何でしょう？｣




『俺、自己紹介してないのによく名前わかったね？普通に呼んでくれてたけど、どうして知ってたの？』





沖｢…………｣







黙って静かにグラスを煽る沖矢昴を見つめる。俺は一気にウイスキーを流し込んだ







『またここに来ていい？』




沖｢用がないなら遠慮したいところですね｣




『じゃあ用があればいいんだ？』




沖｢僕と君じゃなんの接点もないでしょう？｣




『その言い方最高にムカつくね？いいじゃん同じ火事で家を無くした同士仲良くしようよ。また来るから』




沖｢…来ても中に入れるとは思わないでくださいね｣





『ひっでぇなお前ホント……なぁ、煙草一本くれよ？』








FBIに入りたての頃、こうやって赤井からよく貰ってた。ッチ、て舌打ちしながらも｢仕方ねぇな｣ってくれるんだよなぁ









沖｢……仕方ありませんね。今回だけですよ｣






『あはは、厳しいんだか甘いんだかよくわかんねーや。じゃ、またね？沖矢昴さん』






沖｢………｣






貰った煙草に火をつけて、一口だけ吸い込んだ。その煙をふぅーってこの男にかけてから灰皿に押し付けて家を出る。







『(絶対また来てやる)』





そんで自分から正体を明かさせてやる。





赤井を見つけるのはついでだと思ってたんだけど、これはこれで解明したい一つになった。

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