もしものはなし (ページ4)

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年上組って怖いページ4

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(小島)

俺らは大学内でそこそこ目立つ。
7人でいる時なんか、結構注目浴びたりする。

今度ライブハウスに出演するので、放課後メンバー全員で練習する予定。
誠也くんから「早よ来い」のメールで、もう集合場所に誠也くんとリチャくんがおるのは分かった。

そんなん言ったって、しゃあないやん。
二人以外授業やったわけやし。

ちょっと早歩きで向かうことにした。

いつもの噴水が見え、そこに座ってる誠也くんとリチャくんを発見。
声をかけようとすると、俺の前に歩いてる男子二人組の声が聞こえた。

〈あの二人ってAぇのメンバーの人らちゃうん？〉

［あ、ほんまや。］

一気に居づらい状況になった俺は、二人を抜かすわけにもいかず聞きたくない会話を聞くはめに。

〈めっちゃ怖いよな、特に末澤先輩。〉

［分かるわ。目つき悪いよな。］

たしかに。めっちゃ怖い。

〈この前廊下反対側から歩いてきて、思わず怖くて避けちゃったもん。笑〉

［いや、分かる。
リチャードくんもそういう雰囲気あるよな。］

リチャくんもたしかに見た目めっちゃ怖いよな...

『あ、健やん！お疲れー！』

後ろから聞こえるAの声。

“お前空気読めや”と振り向いて目で訴える。

“え、なに？”という表情。
なんで俺ら顔だけで会話しとんねん。

〈あ、すみません！〉

［俺ら悪口で言ったつもりじゃなくて！］

前を向くと、さっきまで話してた二人組が焦った表情で謝ってくる。

小島「いや、いいんすよ。
俺も実際誠也くんとリチャくん怖いんで。笑」

二人を安心させるために、笑って対応する。
なんて優しいんや、俺。

末澤「へー、俺らのこと怖いんや。」

リチャ「怖いんやったら、早よ来んかい。」

末澤「あ、君らは帰ってええで。」

わざとらしくにこやかに二人組を帰す誠也くん。

失礼しました！と去っていった。
いや、助けてや俺のこと。

小島「いや、これは言葉のアヤと言いますか...」

腕を組んでる末リチャに怯える俺。
誠也くんと知り合って長いのに、なんで日に日に怖くなっていくねん。

『すえくん、リチャくん！
わたしは怖いなんて思ったことないからな！』

末澤「そうやんなー？」

リチャ「俺らのどこが怖いねん。」

...そういうとこが怖いねん。

てか、普通にAに裏切られてんけど。

末澤「大晴から先行ってって連絡あったから行くで。
佐野と正門も遅れるらしいわ。」

『分かったー！』

小島「この風神雷神めが。」

俺は二人に聞こえないように呟いた。

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