もしものはなし (ページ12)

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かわいいのを自覚しろページ12

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(正門)

なんや、この状況。
目の前には男の子に手首を持たれているA。
その周りで焦ってるこじけんと大晴。

え、てか俺今2人が働いてる居酒屋に来たんやんな？
なんでAおるん？

それはほんの1時間前。

ツレの大吾と呑みに行こうとなり、いつも行ってる居酒屋に行くことに。
そこは、こじけんと大晴がバイトしてるとこ。
こじけんと大晴おるから自然と常連になっていた。

そしてお店に着き、扉を開いたら目の前にはさっきの状況。

いてもたってもいられなくなり、男の子の腕を持って引き剥がした。

［いったー！］

『え、よしくん！？』

小島「うわ、まっさんや！」

びっくりした顔のだぶるこじとアチャーって顔の大晴。

横でギャーギャー男の子がうるさいけど、そんなん知らん。

正門「A何してるん？」

居酒屋の制服をした姿にもうなんとなく想像ついてるけど。

西畑「正門顔怖いでー。」

あんまり怒らん俺の状況に大吾も思わず小声になってる。

『ごめん、』

小島「まっさん待って！俺と大晴が悪いねん。」

福本「そうやねん！」

Aと俺の間に立つ2人。
うん、分かってる。予想ついてる。

福本「俺とこじけんが今日人足りんから手伝ってって無理矢理頼んだだけやねん。」

ほら、やっぱり。

小島「やからAは悪くないねん。」

違うねん、手伝うのが悪いとか居酒屋で働いて欲しくないとかじゃないねん。
まあ、実際居酒屋でバイトするってなったら心配やけど。

『違うねん、そんなんで怒ってるんじゃないやんな？』

こじけんと大晴の後ろから聞こえる声。

『2人で話せる？』

俺は頷いて、外で話すことになった。

『ごめんなさい。』

外に出た途端、頭を下げて謝るA。

正門「俺がなんで怒ってるか分かってるん？」

正直こんな言い方したくないし多分Aはきっとなんで怒ってるか分かってる。

『わたしがよしくんに言わずに働いてたからやんな？
ほんまにごめんなさい。』

正門「さらにしかも男の子に触れてるしな。」

『返す言葉もありません...』

シュンとしてて、俺Aのこの顔弱いねん。

正門「次から居酒屋手伝うならちゃんと言って。
そんで、触られたんは手首だけやんな？」

触られてた右手首を持つ。

『うん...』

そのままその手首を引っ張って抱きしめる。

正門「男は狼やから、こんな風にすぐなんかされるかもしれんで。」

『はい、気を付けます。』

正門「もうほんまかわいいの自覚して...」

Aをぎゅっと抱き締めた。

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