検索窓
今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:37,416 hit

揺りかごの時間は終わり ページ33

「いいお湯だった

わね〜。一緒にお風呂入るの

何年ぶりかしら?」

「ずっと離れてたから…このあとどうする?」

「ご飯も頂いたことだし、この里で腕の立つ

鍛冶屋に行きましょう?貴方の刀、未完成な所

あるらしいから。」

「うん…姉さん。」

「なに?」

「私今、とっても幸せ。」

その笑顔に、真白もニッコリと笑った。

「ええ、私もよ。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━









「……そろそろ潮時か。」

玄随はどこか遠くを見つめて、そこらじゅうに散ら

ばる鬼の首を杖でつんつんと啄く。

「…この、人間…が!」

日輪刀で切られたのではないその鬼たちは

苦しそうに地面に転がった状態で放置されていた。

「人様の庭を荒らしたのはお主らじゃろう?

無惨とのじゃれ合いはそこそこ楽しめたが雑魚を

相手するのはつまらんのぉ。」

無惨との泥沼試合の際に玄随は月光院の勢力を

ほとんど残したまま生還した。その後、無惨は

月光院を潰すつもりで鬼たちをかき集め奇襲をしか

けたが見事に返り討ちにあっていた。

「玄随様、どうなさいますか?」

後ろに控えていた黒鬼面の剣士が問う。

鬼たちはこれから自分たちがどうなるのか背筋が

凍ったがそれは予想を外れた。

「ふむ、愛おしい孫娘を迎えに行こうか。

とびきりの賜物も用意してな。」

そう言って玄随は仕込み刀を剣士に渡し、

庭から出ていこうとする。去り際に玄随は

こう言った。

「あぁ、彌勒よ。そこの鬼たちも賜物として

贈ろう。一旦溶かして再利用してくれ。」

「御意。」

彌勒は頷いて後ろを振り向く。

「な、なんだ溶かすって…再利用って……俺達を

どうするつもりだ…!?」

「……。」

無言で彌勒は鬼の首を拾い上げ、ゴミを集める

かのように袋に詰めていく。

そして地下室へ運ばれ大きな箱に入れられて

そこに現代で言うフッ化水素酸が投入されていく。

鬼たちは叫び声を上げて溶けていく。

そして幾度も薬品を投与され作り出された獣

が現れる。

人はそれを鬼炎と呼ぶ。

最愛の家族→←姉妹の仲直り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
67人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月6日 10時) (レス) id: 3bbaf93e64 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:卯月 | 作成日時:2019年5月6日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。