※移行※契約彼氏。 Part.7【名前変換】

■契約その334 ページ34

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裕翔「文化祭当日、Aちゃんたちの展示
　 見に行こうかな。自分の写真貼られてるのは
　 照れくさいけど」



「ふふ、カッコよく撮れてるのでぜひ来てください。」






職員室から見えなければ大丈夫だよ、
裕翔先輩は校門を出てからそう言って
自転車の後ろにのせてくれた。



教室での出来事はまるでなかったかのように

二人を包んでいた何とも言えない空気も
消え去っていて




生暖かい夜風がただ2人の頬を撫でていた。







裕翔「Aカメラマンの腕を見に行くとするか。」

「ははは、プレッシャーかけてきますね」







今頃、涼介先輩はお仲間さんと帰って
家につく頃なのかな。


裕翔先輩の肩に捕まりながら
そんなことを考えていたら





ゆっくりと横断歩道の前で止まった自転車。
その向こうに結梨花さんの姿を見つけたんだ。




退院したんだ、よかった。
そう思ったけれど夜の街を歩いているというよりは
彷徨っているように見えて




思わず降りて声を掛けようと思ったけれど
赤信号に邪魔をされ動くことはできず


青に変わったときには夜の街へと消えてしまっていた。







裕翔「Aちゃん、どうかした？」



「あっ、いや……結梨花さんっぽい人が見えて。」

裕翔「えっ、それって涼介の………」







コクリと頷くと、あの人よく夜に飲み歩くんだよね
裕翔先輩はぼそっと言って



自転車をこぎ出した。






「先輩も顔合わせたことあるんですか？」

裕翔「昔はよくね。いい人だったよ。」





過去形の表現。
私が知る限り離婚したとはいえ
シングルマザーで涼介先輩を育てている


そう思うと現在形で言ってあげてもいいのにな
と不思議に思ったけれど



きっと私が知らないことがあるんだろう。








裕翔「小腹空いたからコンビニ寄っていい？
　 アイス奢るよ。」


「私はそんな…」

裕翔「ダイエット中なの?」

「え、いやそうでは…」



裕翔「だよね、Aちゃん軽いもん。
　 てことで一緒に食べよ。」




考え過ぎると糖分足りなくなるから。
裕翔先輩はそう言って私の頬を優しくなでた。


今日は先輩の優しさに甘えてばっかりだ。


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