※移行※契約彼氏。 Part.7【名前変換】

■契約その330 ページ30

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小夜「裕翔、じゃぁ照明とかは明日に回していいのね。」



小夜先輩が倉庫から出てきて目が合う。






裕翔「あっ、うん。それでいいよ。」

小夜「っそ、ならこれ教室においたら帰るから」







「先輩方、お疲れ様でした。」

涼介「瑠依ちゃんのとこまで走ってまた怪我しちゃだめだからな。」







逃げた。

走るなと言われたのに体育館を出てすぐに走った。







「はぁ…はぁ…」







瑠依ちゃんと帰ってないことを知られると
また嘘を重ねなくちゃならないから


涼介先輩が帰る姿を見送ってから
学校を後にしよう。




上がる息。
ふぅっと深呼吸をしながら誰もいない教室の窓に
もたれかかって校門の方に視線を向ける。






「涼介、たまには前やれよな。」

涼介「えー、おれ後ろ専門だから。」





まだ残っている先生もいるというのに
平気で二人乗りをして帰っていく。







「小夜先輩のこと送ったりしないんだ…」





送らないにしても一緒に帰ったりはするかも
と覚悟してたんだけどな。








「あの二人、付き合ってたときも
　登下校一緒になんてタイプじゃなかったよ」






「えっ！？」







誰もいるはずないと思ってたのに
聞こえてきた人の声。



振り返ると「嘘つき」という台詞をはいて
その人は私の右隣に並んだ。







裕翔「涼介はコロっとAちゃんの嘘に騙されちゃって。
　 まぁ俺も今日瑠依ちゃんが帰る姿を偶然見かけてなかったら
　 騙されてた一人なんだけどね。」






「騙されてほしかったです。」

裕翔「残念でしたー」






ぴんと私のおでこを指で弾いて優しく笑って
その後は今日は月が綺麗だねぇって夜空を見上げる。






「私が変な嘘ついちゃったからお友達さんと
　帰りそびれちゃいましたよね」



裕翔「別にいっつも一緒で飽きてるからいいよ。
　 それに嘘に気づかなくてもここに来たし。」






月明かりは端正な先輩の顔を照らす。
お願い、私の顔は照らさないでください。







裕翔「体育館で俺の横通り過ぎたAちゃん
　 今にも泣きそうだった」






泣いていいよって優しく言ってくれる人の前でも
何度も何度も泣き顔を見せたくないから





裕翔「アイツと瀧島。
　 あの二人は普通に作業してただけだから。
　 今は何も…」



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