【2j3j】私の妻を自慢したい。 (ページ3)

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スタジオに入ってきた２人にすかさずDが近寄る。

「２人共、この指輪の持ち主知りません？探してるんですけど…」

　
「指輪？僕は知りませんよ」

　
「…………ふーん？…」

　
冷や汗、どころじゃない。

心臓はバクバクだし、頭は真っ白で何も考えられない。

　
そんな中、ある提案が浮かぶ。

確か午後からDは別件の仕事で居ないはず。

ならばその隙にDの机からさらっと取ってしまえば誰にもバレずに回収できる……！！！

　
早速収録が終わった後に実行しよう。

　
そう決めた直後だった。

「じゃあ僕が預かっときましょうか、D午後から他の仕事行くんでしょ？無くしたら大変じゃないですか」

　
「いいんですか剣持さん！そうなんですよ、それで今持ち主を探してたんです！ありがとうございます！」

「じゃあ持ち主が見つかったら連絡します」

　
指輪がDの手から剣持さんの手に移る。

今の感情は絶望に近いのかもしれない。

剣持さんだけは本当に誤魔化せないから。

あの人は本当に見透かしてくるから…！！

　
さっきの安堵とは逆に本日２度目の冷や汗が流れる。

　
………いや…もういいんじゃないか…？

　
なんて考えも出てくるけど、それはAを裏切ることになる。

　
「じゃあ収録始めましょうか」

　
「はーい」
　

「立ち位置どこだっけ〜」

しょうがないから剣持さんに事情を話して返してもらうことにした。

　

　
このあと起こる悲劇なんて考えもせずに。