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何事にも全力投球の34歳女性。
育休明けであり、元は日野先生にも負けず劣らずの体育会系であった。だが現在は子供を抱っこしすぎた影響で腰に
「いい皆、ボールは腕の力だけで投げるんじゃなくて、こうやって全身を――ぎゃ゙あ゙っ!!待って痛い痛い助けてぇっ……!!」
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寡黙で鬱屈とした37歳女性。
常に憂いを帯びた空気を纏っており、授業中の喋りはボソボソとしていて聞き取りづらい。音楽室が楽器等にスペースを取られて狭いのが不幸中の幸いか。だが合唱に対しては物凄いスパルタ指導を発揮するため、合唱コンクールの時期は要注意。
「お腹から出せば声は出る……女子はパート分かれてて人数減ってるから頑張って……はい、ではサビ前からもう1回合わせましょう……――いち、に、さん…はい、」
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厳格で淑やかな59歳女性。
ひたすらに絵が上手で、筆が速い。少し目を離すと精巧なデッサン画が出来上がっている。だが本人も認めるほど字が汚く、2分前に自分が書いた文字さえ読めなくなるレベル。どちらも「書く」という行為に違いはないのになぜ。
「はい、ではここで皆さんの意見を振り返ってみましょう――……えぇと…? ……あら困った、自分の字なのに読めないわ。」
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手先が器用な51歳男性。
非常勤講師であり、市内にある実家の家具工場で工場長を担当している。よって、工場の人手が足りなかったり何かしらのトラブルがあるとそちらに行ってしまいがち。その分、木工の実習では懇切丁寧で質の高い指導をしてくれる。
「はいもしもし――え、▓▓社からの発注分に遅れ!?分かった、すぐ行く――…えー、そういうことなので、授業の途中ですが先生は帰ります! すまない少年たち!」
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作者名:春乃四葉 | 作成日時:2023年8月6日 17時