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「CM入りまーす！」
「King&Princeさんスタンバイでーす！」
優しく微笑んだ紫耀が
解いた手を俺の頭にぽんと乗せて、先を歩き出す。
紫耀がステージ袖から姿を現した瞬間
客席の歓声が一層大きくなって
その歓声に引っ張られるように、やっと俺も歩き出した。
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───"人生を懸けて愛した人"、なんて。
「大袈裟すぎる、やろ………」
そう呟いては、ふっと笑みが零れる。
俺は、どこまでもあほや。
あいつの言葉に嘘があった事なんて、
今まで一度もないやんか……
センターでスタンバイする紫耀の背中を見つめた。
いろんなものを背負って、
そして、
俺と一緒に生きる道を選んでくれた。
もう、逃げたくない。
「まもなく本番でーす！」
「5秒前！4、3……」
照明のまばゆい光が、俺らを照らす。
もう何度も何度も
数え切られへんほど披露してきた曲が、大きな音で流れ出す。
沸き上がる歓声に、紫耀の歌声が重なっていく。
イヤモニを通して聞こえる紫耀のハスキーな声は
あまりにも甘やかで
本番中や、って咄嗟に思い出さなければ
泣いてしまいそうやった。
声が震えそうになるのを、やっとの想いで堪えた。
何で、泣きそうになるんやろ？
紫耀の気持ちが重たいから？
応えられへんから？
───違う、
心の中の俺は、わかってる。
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ずっと怖かった。
今まで、一緒におるのが当たり前やった人が
いなくなることが。
ボタンのちょっとした掛け違いで
俺らの関係がいとも簡単に壊れてしまうのを
俺は、きっとずっと前から
どこかでわかってた……
紫耀とばちっと視線が合った。
踊り慣れた、いつもの振り
ちょうどカメラに背を向ける時。
俺にしか見えへん瞬間。
紫耀が、にっこりと優しく微笑む。
こんなにいろんな事があったのに
それでも、俺を見て笑ってくれる。
「………ずるいなぁ、」
また、紫耀の歌声が響く中で
オフマイクで小さく呟いた俺の声に
海人がちらっと俺の方を見る。
胸が熱い。
溢れそうな何かが、すぐそこまで来てる気がした。
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あい(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話でした、(T . T)もう始終涙が止まらず、とんでもない顔でお話を読んでいました笑 久しぶりにこんな甘いお話に触れられて、幸せ者です！これからも、応援しております♪ (2022年4月29日 13時) (
レス) @page29 id: 74fb46b4d8 (このIDを非表示/違反報告)
あきこ - お久しぶりです。切ない気持ちがすごく伝わってきて良かったです！2人の表情まで想像できてキュンとしました！！紫耀くんの心の広さ、見習わなくては（笑）楽しませていただきありがとうございます。 (2021年5月16日 9時) (レス) id: a6652d343c (このIDを非表示/違反報告)
こでまり(プロフ) - 本当に素敵な作品ですね。不器用な2人がお互いを思い遣るが故のもどかしさ、メンバーの愛に涙が止まらない作品です。素敵なお話ありがとうございました。 (2021年4月20日 12時) (レス) id: 47561d5dfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - ななみさん» コメント頂きましてありがとうございます(^^)私もじぐいわ大好きです。最後に少ーし匂わせたつもりでした笑。妄想はいくらでも出来ますがリアルのじぐいわには敵いません！こちらこそ、お読み頂きありがとうございました。新作でもお待ちしております(^^) (2021年4月16日 0時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 由夏さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。しょうれんはやっぱり一緒にいるのがしっくり来ますね(^^) (2021年4月16日 0時) (レス) id: f4acf235ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
